ここ数年、「時短」や「簡便性」を訴求し、複数の機能を持つオールインワンタイプのアイテムをメーカー各社が相次いで投入している。
今回はその火付け役となった「オールインワンジェル」にスポットを当て、カテゴリーを牽引する「ドクターシーラボ」をはじめとするメーカー6社の最新動向を取材した。
さらに、化粧品業界に特化したコンサルティングを行うソフィアリンクスの三原誠史代表から、オールインワンジェル市場の変遷と今後の展望についてコメントをいただいた。
――オールインワンジェル市場のこれまでの変遷についてお聞かせ下さい。
三原 やはり、この市場はオールインワンジェル市場を創出した先駆的ブランドである「ドクターシーラボ」抜きには語れない。ドクターシーラボは、ドクターズコスメのリーディングカンパニーでもあり、さらに時短コスメの概念からみてもリーディングカンパニーで、新たな市場を開拓していくための特徴的なマーケティングと戦略の構築に長けている。
オールインワンジェルは、時短ニーズに合致しているほか、「これ1つで済む」という使い勝手のニーズにも応えることができたという意味で、市場に対してインパクトがあり、圧倒的な支持を集めた。
そして、時短や簡略化といったニーズに合致しただけでなく、同社のベースにあるドクターズコスメのバックボーンも含めて複数の要素が重なり合っている。1つのアイテムの中に複合的な切り口があったからこそ、大きな市場を開拓し、成功することができたのではないか。
――市場を開拓したドクターシーラボに追随する他社の動向は。
三原 後発メーカーでは、新日本製薬とキューサイが価格戦略で成功している。ドクターシーラボのオールインワンジェルは、ドクターズコスメに期待する肌に安全でやさしいというニーズと、一つで簡単に済むというニーズを両立し、顧客を獲得した。
一方で、オールインワンジェル市場のマーケティングではこれ以外にも空白領域が存在していた。 その一つが「価格訴求」の部分であり、後発メーカーがオールインワンジェルに価格競争力をつけることによって、「低価格ならば使ってみたい」という新たな層を取り込むことに成功した。
また、新日本製薬ではオールインワンジェルにアイテムを追加するマーケティング戦略を展開している。本来ならば、オールインワンジェルは一品だけでお手入れが済むということを売りにしていたはずが、オールインワンジェルを中心に化粧水を組み合わせるなど、複数の商品購入をすすめる動きも出てきている。
【その他の質問項目】
――最近のオールインワンジェル市場はどのような傾向にあると捉えていますか。
――調査結果の分析から、今後のオールインワンジェルの市場展望についてお聞かせ下さい。
【記事掲載企業一覧】
◎ドクターシーラボ
「アクアコラーゲンゲル」に保湿力極めた進化系~ゲル最大の役割は簡便性よりも保湿力~
◎ロート製薬
「肌研」の「極潤 パーフェクトゲル」が初年度10億円のヒット~美白タイプ投入で新規ユーザー獲得へ~
◎カネボウ化粧品
「フレッシェル」にUV美白オールインワンジェル導入~化粧水感覚のみずみずしい感触が好評~
◎エバメール化粧品
油分使わず水にこだわったゲルクリーム~販売店制度設け講習通じ接客力アップ~
◎ドクターフィルコスメティクス
看板アイテムが新客獲得と顧客育成に貢献~販路拡大と新たなマーケティング戦略が奏功~
◎JIMOS
売れ筋の商品力をテコに卸展開を加速~通販のネームバリューを店舗販売に活用~
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