週刊粧業
日本色材工業研究所は、国内での受注が上向き傾向にあり、今後の事業拡大に向けて新たな生産拠点「つくば工場」(茨城県つくば市)の稼働準備も進めている。
一方、フランス子会社のテプニエ社は欧州経済の悪化などで逆風下にあるが、医薬品事業で来期に向けて大型案件の受注獲得に注力している。
奥村浩士社長に聞いた。
――直近の業績、受注状況はどうですか。
奥村 前年下期からの不調の影響がまだ若干残っているが、今期に入って復調の兆しがある。引き合いの状況をみると単価も少しずつ上昇しはじめている印象だ。
国内の受注状況はまずまずの手応えで、輸出案件でも大型注文が入ってきている。通年でみればイメージ通りの着地が期待できそうだ。
製品カテゴリーでは、チークや口紅、クリーム類が引き続き好調な一方、「PA++++」処方の採用がまだ本格化していない。来春夏シーズンに期待をかけて営業を強化する方針だ。スキンケアでは、乾燥による小ジワ対策の研究成果もアピールしており、株主優待品のクリームは好評だ。
――国内ではつくば工場の稼働が控えています。
奥村 国内での取引拡大に備え、生産能力を増強する。3棟構造で総敷地面積も約1万坪と広大だ。より高度なレベルの化粧品GMP基準をクリアし、将来的には主力の座間工場を上回る機能と規模を目論んでいる。
来年1月に完成し、2月に稼働させる予定だが、受注の増加に合わせて段階的に稼働させていく計画だ。将来的にはBCPの問題もクリアでき、大規模災害などのリスクも分散できる。さらに、圏央道が全線開通すれば利便性が一気に高まる。
――テプニエ社の動向も気になります。
奥村 今期第1四半期は、前年同期にメークアップの大型新製品を受注しており、その反動があった。欧州経済は不透明で、通年でも明るい見通しは立てていない。ただ、来年に向けて医薬品で大型案件の受注に注力しており、工場の増築、増設を計画している。業績は来期以降上向いていくだろう。
この記事は週刊粧業 掲載
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