資生堂・坂井透常務、専門店戦略の現状と今後の展望を語る

週刊粧業 2013年10月21日号 6ページ

カンタンに言うと

資生堂・坂井透常務、専門店戦略の現状と今後の展望を語る

 資生堂は今期、「資生堂にしかできない絶対価値」を磨き上がるべくプレステージ領域の強化を打ち出している。

 また、上位店であるSPS店(スーパーSPプログラム店)へのバックアップや、新制度品ビジネスモデルの進化を通じ、専門店チャネルの底上げを図っている。

 坂井透取締役執行役員常務に専門店戦略の現状と今後の展望について話を伺った。

BQはセオティで若い世代を獲得、
エステで定着とリピートを図る

 ――専門店チャネルの13年度上期の店頭状況については。

 坂井 4月~8月までを見ると、取引店数がやや減少しているということもあり、専門店チャネル全体では前年実績を下回っています。こうした中、SPS店さま(現在約700店)につきましては前年並の実績を維持いただいています。

 この上期は、SPS店の重点施策として「ベネフィーク(BQ)」の化粧水・乳液の愛用者施策を実施しましたが、スキンケアを中心に中価格帯が好調です。リーマンショック以降、消費は低価格帯にシフトしていましたが、アベノミクス効果により高額商品が売れ始めており、それが化粧品にも波及しているようです。

 ――「ベネフィーク」の育成戦略を具体的に教えてください。

 坂井 BQにつきましては、継続使用率の高いスキンケアを引き続き育成の柱としながら、「セオティ」で若い世代を取り込み、「エステ」で定着とリピートを図っています。

 BQはスキンケアを中心に発展してきたブランドですが、昨年2月に、ポイントメーキャップラインの強化を目的に「セオティ」の新ラインを導入しました。

 専門店さまにいらっしゃるお客さまはシニア層の方が多いのですが、20~40代をターゲットに「愛され顔」というキャッチコピーで、マスカラやつけまつ毛を発売したところ、とても好評でした。若い世代の獲得という当初の目的にはかなり合致していると思います。

 8月には新口紅「リップスティック(メルティタッチ)」を発売しましたが、蛯原友里さんを起用したプロモーションでは、花びらに囲まれた乙女心をくすぐるようなビジュアルを採用し、かわいらしさをアピールした結果、発売1ヶ月時点ですがとても好調に推移しています。

 これまで専門店さまからは、若い世代のお客さまが縁遠くなってしまったとのお声を聞いておりましたが、新ラインの「BQセオティ」の導入により、モールや駅近で展開されているお店さまでは特に、若い世代を惹きつける1つのキーアイテムになっています。

 ――若い世代を獲得しつつあるということは、今後に向けて大きな期待が持てますね。

 坂井 将来的にはシニア層が段々減っていきますので、若い世代のボリュームゾーンである20~40代にきっちり資生堂の価値を伝えていく必要がありますし、次の世代の人々とのコミュニケーションはしっかりと取っていかなければなりません。そういう意味において、敢えて20~40代向けのメーキャップ化粧品を専門店チャネルに導入したことに大変意味があったと思います。実際、BQブランド全体が華やかになってきました。

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