コーセーは、東亜化成との共同研究により、マスカラのカールを保持する機能が著しく向上した植物由来ポリマー「カルナウバレジン」を新たに開発した。来春発売のマスカラへ応用する。
「カルナウバレジン」は、マスカラの機能を向上するために開発した同社オリジナルの新規皮膜形成剤で、北ブラジル原産のヤシ科バーム樹系の植物の葉から採取した「カルナウバワックス」のレジン(樹脂)成分を濃縮処理することで得られるという。
近年の目もとに重点をおいたメークの流行により、自然でありながらも印象的な目もとづくりのできるマスカラが注目されており、求められる機能も年々向上している。中でも、カールタイプのマスカラには、目もとの立体感を引き立たせることや、より長時間カールを保持する機能が求められている。
まつ毛のカールを保持するため、一般的にマスカラには皮膜形成剤として植物由来のワックスやレジンが配合されているが、べたつきがなく硬い皮膜をつくることができる反面、膜がもろいといった欠点や、付着性と皮膜の強度に優れる反面、べたつきや膜形成の遅さという欠点があった。
実際、従来のカールタイプのマスカラは、皮膜がもろいため強度が十分でなく、時間とともに壊れたり剥がれたりするなど、理想のまつ毛形状をキープすることが難しかったという。
そこで同社はマスカラのさらなる進化に向け、ワックスとレジンの長所を併せ持つような皮膜形成剤の開発に着手。出発原料であるカルナウバワックスのワックス分を抽出処理し、ワックス分とレジン分の比率を変えることによって皮膜の性質が大きく変化することを見出した。
様々な比率での皮膜の特性検討を重ねた結果、レジン分の濃度を従来の約3倍に高めることで、各々の長所のみを引き出すことが可能となった。このようにして、ワックス由来のべたつきのなさと硬さ、レジン由来の柔軟性・付着性を併せ持ち、皮膜形成の速さにもすぐれた素材「カルナウバレジン」が得られた。
マスカラに配合した場合、根元から立ち上がった美しいカール形状に素早く固定できるだけでなく、まばたきによる繰り返しの衝撃によっても皮膜が壊れることなく、メーク直後の仕上がりを一日中保つことができるという。
また、べたつきが少ないことからセパレート効果にも優れ、まつ毛一本一本に自然なボリュームが出ることで、印象的な目もとを演出する。
マスカラ以外では、形成膜の連続性、柔軟性などの利点からアイライナーや口紅などのメーク製品やスタイリング剤など幅広い応用が期待できるという。
この記事は粧業日報 掲載
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