マツモトキヨシは、2015年9月30日に「新松戸駅前店」をリニューアルし、店内に「暮らしのヘルスケアショップmatsukiyo LAB(マツキヨ ラボ)」を併設した次世代ヘルスケア店舗をオープンした。
美と健康の分野に特化した商品やサービスを展開する同店では、生活者に対し新たなH&Bソリューションを提案し、今まで経験したことのない「新しい価値の体験」を提供することで美と健康に関するQOL(生活の質)の向上を図ることを目的としている。
本社1階の同店を起点に場所柄などを加味しながら展開を拡大していくという。
若年層との接点づくりが起点、
同質化する他業態と差別化
マツモトキヨシが取り組んできたことの1つに「若年層との接点づくり」がある。
かつて男性客が多く利用していたコンビニ業界では、若い女性や高齢者にとって身近な存在になるべく、思考を巡らせていた時期があったという。しかし、奇しくもその目的を果たすことになった出来事が、2011年3月11日に起きた東日本大震災だった。
各業態とも、交通インフラが大きく乱れ、商品の安定した供給が非常に厳しくなった中で、コンビニはいち早くインフラが回復し、商品が納入された。
これがきっかけとなり、コンビニは生活者にとって「身近な存在」になり、その価値が見直された。
一方、ドラッグストアにおいても、生活者との接点づくりが業界全体の課題の1つだった。特に若者を中心にTV離れが進み、新聞の購読者も減っている状況で、TVCMや折り込みチラシの効果が薄くなり、ますます若者との接点づくりが難しくなっていった。
さらに、コンビニやドラッグストア、スーパーマーケットなど、どの業態でも同じ商品が置かれる同質化が進み、業態ごとの差別化さえ難しくなったことも顧客離れを加速させた。
その中でも、マツモトキヨシは郊外や繁華街、住宅街など様々な環境に店舗を展開し、それぞれの街や立地環境に合わせた品揃えや販促を行い、生活者にとって「身近な存在」としての地位を確立してきた。
現在、「マツモトキヨシ現金ポイントカード」の会員数は2400万人に達し、ポイントカードの会員データによって生活者の購買行動を分析し、どの店でどんな品揃えをしなければならないのか、どんなお店がお客から支持されているのかを導き出すことができるようになった。
しかし、10~20代前半の若年層との距離はまだ縮まらなかった。そんな時、現れたのがメッセージアプリの「LINE」だった。
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この記事は粧業日報 2015年10月27日号 1ページ 掲載
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