日本コルマー、研究開発者130名体制の業界最大手、女性のリアルな実態に迫りコスメ開発

週刊粧業 2017年1月23日号 3ページ

カンタンに言うと

日本コルマー、研究開発者130名体制の業界最大手、女性のリアルな実態に迫りコスメ開発



シニアの生意見から機能性ファンデ
「勝負コスメ」テーマの新製品も

 テーマに掲げた「リアルコスメティクス」の思想は、コスメとの関連性が強いファッション業界で、4大コレクションのひとつニューヨーク・コレクションの代名詞とも言える「リアル・クローズ」(現実性のある服)の概念を参考にし、スキンケアからメークアップまで幅広いアイテムを展示する。

 マーケティング部の木村めぐみ氏は「BtoBである当社が、消費者にもっと寄り添ったコスメをコンセプトに、『今の自分のライフスタイルにどう取り入れられるか』『実際に使ってどう変わり、幸せになれるか』といった女性独特の思考なども考えて開発した」と述べ、「気に入ってもらえれば、すぐに製品化できるように作り込んでいる」と話す。

 開発製品が多いため、ここでの紹介は一部のメークアップ製品に留めるが、注目は「アラウンド60の女性のリアルな生の声」を聞いて開発したファンデーションだろう。

 「企画開発の担当者は若い女性が多く活躍しており、自分と同世代、または少し下の世代をターゲットにした企画開発を得意としている方も多い。しかしながら、化粧品ユーザーのボリューム層は50代以上であり、自分たちよりも上の世代である。まだ人生で経験したことのない世代向けの開発には頭を悩ませているかもしれない」

 そこで同社は、アラウンド60の女性数十名に、普段のメークアップに対する悩みや不満など生の声を聞き込み、それら意見を精査し、反映させたシニア向けファンデーションの開発を進めた。木村氏は「現在使用している製品に対して十分に満足していないという意見は予想以上に多かった」と語る。開発した2つのファンデーションのうち、一つは「私たち自身も正直驚いた」(木村氏)と語るように、使用したシニア女性全員が「購入したい」と答えた出来映えだ。

 そのほか、ファンデーションでは、世界中で利用者が急増しているSNSに着目して「自撮り」がキレイに撮れるファンデーションなど「写(映)り」に着目したメークアイテムなどが揃う。

 さらに、開発を強化してきたアイメークからは、ユーザー不満点を改善する付加価値アイテムを展示する。

 「アイライナー」では、使っている間にファンデーションの色が混ざりやすいことに着目し、「使いはじめから終わりまで漆黒カラーでアイラインを引ける」製品を開発した。

 「マスカラ」からは、高いキープ力で根強い人気のウォータープルーフタイプから、目頭や目じりなど細かな部位に使いやすい特殊なブラシを採用した「失敗しないマスカラ」を発売する。

 「メークアイテムでは、女性の細かなニーズをどう拾っていけるかにも挑戦している。顧客のあらゆる商品企画に応える開発力も当社の強みであるが、展示品を通して当社の企画力・開発力を体感してもらいたい」(木村氏)
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 日本コルマー、研究開発者130名体制の業界最大手、女性のリアルな実態に迫りコスメ開発

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop