コーセー小林社長、常に新しい取り組みに挑戦

週刊粧業 2018年1月1日号 60ページ

カンタンに言うと

  • まず、2017年の国内化粧品市場を振り返っていただけますか。
  • カテゴリー別、チャネル別の動向はいかがですか。
  • 「世界に通用するブランドの育成」についてはいかがですか。
  • 「経営資産の継続的なパフォーマンス向上」についてはいかがですか。
  • インバウンド・アウトバウンド消費の取り込みやタルト社の持続的な成長について、今後の方向性について教えてください。
  • 今後の成長にとって欠かせない海外事業の進捗、展望についてはいかがですか。
  • 次年度以降の基本課題、次期の抱負についてお聞かせください。
コーセー小林社長、常に新しい取り組みに挑戦
 コーセーは、過去最高の売上を記録した「コスメデコルテ」、オンライン・オフラインとも高成長が継続している「タルト」など、ハイプレステージブランドが国内外ともに好調で、2017年上期業績は、売上高が5期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新した。

 中期経営計画「VISION2020」のPhaseⅡグローバルブランド育成期では、基本戦略のひとつ「世界に通用するブランドの育成」を達成すべく、「重点グローバルブランドの育成」「市場開拓のスピード化」「事業戦略の遂行」の3点の取り組みを強化し、その最終年度となる2020年3月期には世界で存在感のある企業への進化を目指している。

 「好調に甘んじることなく、常に新しい取り組みを進めていく」と語る小林一俊社長に、新年度の課題と抱負についてインタビューした。

2017年上期、売上高は5期連続
営業利益は3期連続で過去最高更新

 ――まず、2017年の国内化粧品市場を振り返っていただけますか。

 小林 国内化粧品市場全体としては、2017年の経産省化粧品出荷統計(1~8月)は、金額が前年比105.6%、数量が前年比101.5%と増加傾向を示しています。

 化粧品業界においては訪日外国人客の増加によるインバウンド消費の拡大などから、百貨店などを中心に化粧品販売が好調で、販売数量・金額とも増大しています。

 また、2016年に化粧品の輸出が輸入を初めて上回ったことで、日本の化粧品の本格的な世界進出に弾みをつける大きな転換期に入ってきたと見ています。

 さらに、昨年の円高基調から円安方向に為替がふれていることから、今後も訪日外国人旅行者の増加が期待でき、化粧品などの消費財のインバウンド需要は引き続き堅調と見られることから、しばらくは化粧品業界全体の実績底上げが続くものと考えられます。

 そのような中、上期連結ベースでは、売上高が1446億1500万円(15.0%増)、営業利益が234億6700万円(25.5%増)、経常利益が239億4000万円(36.1%増)となり、売上高は5期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新しました。

 国内外の比率については、日本が76.7%(売上高=1108億9300万円、伸長率=7.0%)、アジアが10.6%(売上高=154億200万円、伸長率=32.5%)、北米が11.7%(売上高=169億3100万円、伸長率=66.6%)、その他が1.0%(売上高=13億8800万円、伸長率=260.8%)となっています。

 海外売上は前期比23.3%増の337億2200万円となり、海外売上比率については前期比5.7P増の23.3%となっています。

 海外においては、構造改革に目処がついた中国と、免税事業が好調な韓国がアジア全体を牽引したほか、北米や欧州・オーストラリアなどもタルトを原動力に売上を拡大しました。

 日本においては、上期73億円の増収で終了しましたが、そのうちインバウンドの影響による増加分は20億円程度と思われます。

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