日本コルマー、アウトソーシングの需要増で好調維持

週刊粧業 2019年8月26日号 8ページ

日本コルマー、アウトソーシングの需要増で好調維持
 化粧品・医薬部外品OEM/ODMの国内最大手である日本コルマーは、日本製化粧品の需要拡大が続く中、国内77拠点に工場を拡げて受注増加に対応し、最近4期(2016年3月期~2019年3月期)は前期比2ケタ増収を連続達成している。

 2019年3月期売上高も前期比18.2%増の455億円で好調を持続して15期連続増収となった。

 一方、国内化粧品市場は今年に入り、中国・電子商務法の影響等もあり、好景気に少し陰りが見え始めている。

 神崎友次会長は「OEM業界にも当然影響は出てきている」と景況感を述べつつ、ブランドメーカーは経営基盤強化を目的に製造アウトソーシング(外部委託)はさらに進むとの見解を示し、増産体制の強化を継続推進する。

 今期は広島と伊賀(三重県)の2工場を中心に人材確保・育成とともに設備投資を進めていく。

 また、アウトソーシングの加速化にともなうOEM業界の供給責任の観点から「国内工場の多拠点化でリスクヘッジ能力を高めた分散型の生産体制も大きな強みになる」と話し、こう続けた。

 「生産拠点の分散化は、供給責任を果たすことに加え、人口減少にともなう人手不足への対応策にもなり、増産体制を推進しやすい」

 さらに、OEM業界は市場拡大とともに、研究開発機能を持つ企業が増え、製品の企画設計から製造まで一貫するODM化が進む。業界に先がけてODM化を牽引してきた同社は、国内5研究所・研究員160名の研究開発体制が整う。

 神崎会長は「近年の受注案件の大半は、製造業務だけでなく、研究開発段階からのアウトソーシングとなっている」と述べ、様々な顧客の製品開発実績で得た経験やノウハウを活かした創造性のある開発力を、国内だけでなく、海外の成長ドライバーにも位置づける考えを示した。

 その海外は、中国に続き、ベトナムでの工場建設も進む。日本企業のASEAN進出サポートとともに、グローバル企業の早期顧客化も視野に入れて20年春の工場完成を目指す。
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