日本精化は、昨年5月のCITE Japan2019で披露した生理活性リン脂質「PrimeLipid PI(プライムリピットピーアイ)」と、今年3月に新たにコスモス認証を取得したサトウキビ由来のイヌリン「Inulin-SC(イヌリンエスシー)」の提案を強化している。
「PrimeLipid PI」は、ホスファジイノシトールを高配合した植物由来のリポソーム用素材で、化粧品のみならず、医薬部外品、さらには中国展開にも対応している原料だ。
保湿・抗酸化・美白効果のほか、抗シワ効果も発揮するなどマルチな機能が関心を集めており、化粧水、乳液、クリームといったスキンケア製品全般への配合を可能とする。
抗シワ効果の実験では、成人女性18人の半顔に、同原料を0.2%配合した化粧水を1日2回・4週間連用し、初日・2週間・4週間の3回にわたって写真を撮影(図1)。
シワグレードの画像評価を行ったところ、同原料を未処理の半顔に比べ「シワグレードの変化量」が有意に減少し改善された(図2)。
また、同実験について、被験者の目尻部位のレプリカを作成し「平均シワの深さ」「シワの総体積」を測定した検証でも未処理側との有意差を示しており、乾燥による小ジワの改善効果が確認されている。
さらに、Cutometer CT580を用いて被験者の皮膚粘弾性を測定した結果、未処理側と比較し、皮膚の伸びやすさの指標となるUe(瞬間的位置変化)、皮膚の角層の水和影響を反映したUf(トータル位置変化量)ともに有意に増加。皮膚の角層の水和状態を改善し、弾性を向上させることが示された。
保湿効果では、「PrimeLipid PI」を添加した培地でヒト正常表皮角化細胞を培養したところ、ヒアルロン酸合成酸素(HAS3)の遺伝子発現量が増加し、ヒアルロン酸の合成が約2倍向上した。
この結果から同原料は、表皮の保湿に重要なヒアルロン酸の合成を促進することが確認されている。
抗酸化効果の実験では、「PrimeLipid PI」を添加した培地で正常ヒト表皮化細胞を24時間培養し、一部の細胞にブルーライトを照射。ブルーライト未照射の細胞と照射した細胞それぞれの細胞内ROS値を測定したところ、両細胞でROS値は有意に抑制された。
このため、同原料はブルーライト未照射細胞の細胞内ROS値を抑制するとともに、ブルーライトによって発生した細胞内ROS値も減少させることが示された。
さらに、アンチポリューション効果や細胞内の抗酸化システムを活性化させる効果など、多様な抗酸化機能が確認されている。
「『PrimeLipid PI』には、メラニン生成抑制効果やメラノソーム取込阻害効果なども期待できる。このようなマルチな効果に加え、それぞれの効果についてエビデンスを取得している点が好評を受け、昨年のリリースから数多くの引き合いがある」(同社)