フラーレンの化粧品原料メーカーであるビタミンC60バイオリサーチ社(VC60社)は、2005年に世界初のフラーレン化粧品原料として「ラジカルスポンジ(RS)」を発売した。
発売当時、フラーレンの認知度はなかったが、安全性、エビデンスが充実していることから、医師がいち早く注目しドクターズコスメから製品化が拡がった。
現在は、多くの美容家からも支持を得て、様々な化粧品にフラーレンが配合されている。また、商品やコンセプトに併せ配合しやすいよう、フラーレン化粧品原料は全部で6種類発売されている。
VC60社では、昨今のナチュラル志向の高まりから、2015年に植物からフラーレンを作る研究開発を始めた。まず大変だったのが、出発原料となる植物の選定だ。
サスティティナビリティを意識し最終的に行きついたのが、宮崎県で大切に管理された天然杉。しかし、大量に杉を使うことは意に反しており、杉をペレットに加工することで、杉の使用料を削減することを可能にした。
この加工は持続可能な森林・林業経営を推進するためのグリーンウッド法に認定された企業で行った。このペレットから、クリーンエネルギーである水力発電を利用してフラーレンの基を作り、VC60社独自の技術で植物由来フラーレンを作っている。
また、植物由来フラーレン化粧品原料に使用する容器をアルミパウチに変更することで、従来品と比較し8~9割のごみの削減となり環境に配慮している。
今年4月に世界初の植物由来フラーレン配合化粧品原料として、リポフラーレンが100%植物由来(自然由来指数1:ISO16128に基づく)のリポフラーレンNにリニューアルした。
発売から約半年になるが、リポフラーレンNが配合され、ナチュラルを打ち出した新製品も続々発売されている。
そしてついに、10月にはフラーレン化粧品原料売上№1のRSも植物由来フラーレンにリニューアルされ「ラジカルスポンジN」として発売される。
「ナチュラル」は、安心、安全、環境にやさしい等のイメージがある一方、「効果は?」というイメージを持たれているという声もあるが、植物由来フラーレンは、従来のフラーレンと同等の効果があることは確認済みだ。
これまでのフラーレンの高い抗酸化力、有効性に加え、「ナチュラル」「サスティナブル」に対応することも可能となった。
植物由来フラーレンになることで、従来のロゴに加え、新たに「植物由来フラーレン」専用のロゴマークが登場した。
植物由来フラーレン化粧品原料は、メイク製品に最適なパウダー状の「ヴェールフラーレンN」、日焼け止め専用の「サンガードフラーレンN」、ヘアケア専用「ヘアシャイニーフラーレンN」も、同時に発売となり、今後のさらなる広がりが期待される。