在宅勤務が増えたことにより、何らかの髪ダメージを感じている女性が増えている。そういった中で、時短かつ簡単に自身でできるヘアケアにも関心が高まっている。
その1つとして、ダメージケアだけでなくパサつきやうねりなどを簡単に手入れできるヘアオイルにも注目が集まっている。
岩瀬コスファが提案に注力する「AlgaPur HSHO Algae Oil」(Lubrizol社、AlgaPur HSHO Algae OilはLubrizol社の登録商標)の引き合いも多いという。
同品は、サトウキビを原料とし、藻類による発酵、粉砕、抽出、精製工程を経て製造されるオイルだ。
不飽和脂肪酸を多く含むにも関わらず、安定性に優れており、他の油と比べて酸化が始まるまでの時間が長いため、抗酸化剤の添加量も少なくすることができる。
また、浸透性が良く、幅広い油剤に対して優れた相溶性を持つことから処方化が容易だ。塗布後も油っぽくないシルキーで滑り性のある感触が特徴となっている。
肌の保湿性を改善する効果も確認されている。14名のボランディアにおいて、各エモリエント剤を用いた際の保湿状態の変化をコルネオメーターにより測定したところ、塗布後2時間後まで肌の保湿性を改善することが分かった(図1)。
最高クラスのサスティナビリティとトレーサビリティも同品の強みといえるだろう。
他の油生産収穫量と比較して、1ヘクタール当たりの油の収穫量が多いサトウキビから生産されており、さらに、ほぼ全ての他の主要な汎用油剤よりも水消費量が少ない(図2)。また、二酸化炭素排出量も少ない。
製造元であるCorbion社は、土地の権利、適正な農業慣行、生物多様性等に関わる原則や基準を「Corbionサトウキビコード」として定め、サトウキビのサプライヤーを定期的に監査している。
各サプライヤーに対しては、アマゾン・パンタナル・北部パラグアイ盆地生態系でのサトウキビの栽培や調達をしないようにも求めているという。
同社は、高分子量の液状型分岐エステル油「Schercemol CATC CN Ester」(Lubrizol社、Schercemol CATC CN EsterはLubrizol社の登録商標)の提案にも力を入れる。
肌馴染みが良く、べたつき感の少ないシルキーで滑らかな高級感のある感触が特徴だ。顔料分散性、密着性も高いことからスキンケア、メークアップ製剤への応用が可能となっている。
さらに、髪への馴染みも良好なことから、ヘアケア製剤へ配合した際の効果が期待される。
分子量が高く、比較的高い粘度のため厚みのあるエステル油だが、塗布中、塗布後の感触はさっぱりかつ滑らかで、べたつきもほとんど感じられない。
同製品を配合したヘアオイルを用いた官能試験では他油剤を配合したものよりも密着性、なめらかさが優れており感触が良いことが分かった。
AlgaPur HSHO Algae Oilと同様、他の油剤に対して相溶性が高いことから処方化しやすいのも特徴となっている。
最近では、ヘアオイルをはじめとしたアウトバストリートメントにおいて、軽めのテクスチャーが求められる傾向にあるが、同品はそうしたトレンドにも対応する。
なお、油のゲル化剤「レオパールシリーズ」(千葉製粉、レオパールは千葉製粉の登録商標)は、長年にわたり多くの化粧品に採用されてきた。
レオパールは、糖と脂肪酸の高分子エステルである。油のゲル化・増粘だけでなく、乳化安定性、顔料分散性の向上、ワックスの感触改良など多機能を有するオンリーワン製品だ。
レオパールには7種類のグレードがあり、それぞれ特徴が異なるため、目的に応じて選択できることも魅力のひとつとなっている。
配合量によってとろみ付け(増粘)から固いゲルまで調整がしやすく、一部の銘柄は環状シリコーンをゲル化するなど、様々なニーズに対応が可能で(図3)、化粧品処方としては、リップスティック・ファンデーション・日やけ止めやヘアオイルなど幅広い剤型に対応することができる。
「レオパール KL2」「レオパール TL2」「レオパール MKL2」については、エコサート認証も取得しており、サステナブルニーズにも対応する。