日本コルマー、関東で新工場を建設し生産増強へ

週刊粧業 2023年8月21日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 各工場で合理化とリスク管理を推進
日本コルマー、関東で新工場を建設し生産増強へ
 化粧品OEM/ODM国内最大手の日本コルマーは2023年3月期、メークアップの需要回復に加え、複数のブランドメーカーによる高価格帯のシャンプーやトリートメントなどの受注数量が想定を大きく上回り、売上高は前期比12.8%増の556億円で着地した。

 2024年3月期は、メーク需要の回復持続やクライアント企業のリニューアル・新製品展開の活発化を追い風に売上高2.5%増の570億円、20期連続増収を目指す。神崎義英社長に話を聞いた。

 ――前期は大きく伸長しました。今期の受注状況はいかがですか。

 神崎 前期は3カ年計画の目標数字を2年前倒しで達成してしまったため、計画を見直すことになったが、今期も堅調な受注状況が続いている。

 特にヘアケアは前期に引き続き、高価格帯のシャンプーやトリートメントを中心に想定を大きく上回る受注を獲得した。

 スキンケアではシワ改善化粧品が引き続き好調だ。エビデンスと使用感をさらに追求して高付加価値化を進める。

 メークは、リップ・口紅の受注が戻ってきた。コロナ禍でメーク担当の研究開発者には、メーク以外の製品開発に取り組んでもらったが、今年からメークの開発に専念して新製品開発やリニューアル対応を行っている。

 ――直近では、茨城・結城工場の近くに新工場建設に着手しました。

 神崎 敷地面積1万坪に4階建の工場を計画している。この新工場は当社最大級となる。スキンケア・ヘアケアといった液体化粧品を一貫生産できる工場として、2025年春からの稼働を計画している。

 ――国内生産能力を増強する狙いは。

 神崎 国内化粧品市場は人口減少の影響により中長期的には需要縮小に向かうが、一方で、化粧品市場での販売競争は激しさを増しており、製造や開発のアウトソーシング化は進むとの見方が強い。

 また、スタートアップや異業種の新規事業など化粧品業界への参入の波も続くと見ている。各拠点で、生産性を高めるために合理化を進め、様々なニーズにスピード感をもって開発できる体制を強化していく。

 さらに、予測や回避が容易ではない自然災害の影響などを考慮し、BCPの観点から複数拠点で同じカテゴリーの製品を生産できる体制を整えている。

 スキンケアなど液体系の化粧品に加え、メークアップも複数工場で分散して作れる体制整備を確立できている。
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