山川貿易は、最先端のイノベーションや技術を持つ化粧品原料の提案を強化している。
今春に発売された植物幹細胞由来原料で高い評価を得ているVytrus社の新製品「PHOTOBIOME」は、皮膚上の微生物叢を保護することで、太陽光による光老化を抑制するというこれまでにない革新的なアプローチを行っている原料だ。
皮膚の健康に重要な役割を果たしている皮膚微生物叢は、すべてのエクスポソーム(環境因子)と相互作用していることが判明しているが、太陽光との関係については、これまで明らかになっていなかった。
Vytrus社の研究では、皮膚微生物叢が太陽光に曝されると、普段は無害な微生物が皮膚の抵抗力を弱める物質を分泌して炎症を引き起こし、皮膚の光老化をより悪化させることがあるという。一方で、太陽から保護された皮膚微生物叢は、皮膚の光老化を抑制することも判明した。
「PHOTOBIOME」は、皮膚微生物叢を太陽光から保護することで、肌への有益な効果を促進させる原料だ。
太陽光から保護された皮膚微生物叢は、太陽光に曝された場合とは反対に皮膚の抵抗力を強める物質を分泌する。
作用機序としては、皮膚における微生物生態系の中で太陽光と相互作用する能力を特徴として持つフォトバイオーム因子が、太陽光との相互作用により代謝産物であるウロリチン類と微生物由来メラニンを合成する。
合成された代謝産物が、紫外線による皮膚の免疫抑制反応を防ぐ効果や、微生物からメラニンを生成することで皮膚内のメラニン生成を抑制する効果など、肌にとって有益な働きをもたらす。
由来植物は、ザクロから得られた「Phyto-Lipidic Fractions」とワタから得られた「Plasma Rich in Cell Factors」の2種類だ。
「Phyto-Lipidic Fractions」は、選択的な細胞膜脂質であるリン脂質と糖脂質、グリセリド、遊離脂肪酸を豊富に含んでいる。また、プレバイオティックなポリフェノールも含有され、特にウロリチンの前駆体であるエラグ酸が豊富に含まれる細胞培養物である。
「Plasma Rich in Cell Factors」は、植物発色団や抗酸化・抗炎症・光保護ポリフェノールなど、細胞保護因子を豊富に含む細胞溶解液だ。
この2種類の植物培養液には、微生物の細胞膜を強力に保護・強化するフルクトオリゴ糖とトレハロースが含まれており、融合させることで、太陽光線と光老化ダメージに対する皮膚微生物叢の抵抗力を高める。