サティス製薬、皮膚への異物付着を防止する処方技術を開発

粧業日報 2023年11月13日号 6ページ

サティス製薬、皮膚への異物付着を防止する処方技術を開発
 高性能なスキンケアの開発とOEM製造を行うサティス製薬は、皮膚への異物付着を防止するバリアフィルムを搭載し、過敏な皮膚状態を改善する処方技術を開発した。

 花粉やハウスダストなどのアレルゲンが皮膚に付着すると、バリア機能を担う細胞間脂質の産生が減少して乾燥や炎症の発生要因となること、これらの影響により、かゆみを感じる神経線維が角層直下まで伸長することで皮膚の刺激感受性が増し慢性的な過敏状態になること、かゆみの生じやすい皮膚を繰り返し引っ掻くことでさらなる炎症が発生し悪影響となることがわかっている。

 そこで同社は、アレルゲンの付着を防止するとともに、慢性的な過敏状態の皮膚を改善するスキンケア処方技術の開発に取り組んだ。

 技術のベースには、2022年に発表した皮膚の異物付着を防止する「植物性多糖類のバリアフィルム」を採用した。肌表面に形成されるバリアフィルムによって、アレルゲンの刺激因子が皮膚に直接触れることを防ぐ。さらに、同技術では、細胞間脂質の産生量を向上させて水分保持力を高める作用や、CB2受容体に働きかけるCBD様作用をもつ有効成分を配合し、過敏状態になった皮膚に対してもアプローチする設計にした。

 開発品を28日間連用した結果、素肌の状態で水分量が380%に向上することがわかった。これは「植物性多糖類のバリアフィルム」が角層の水分蒸散を抑制するほか、細胞間脂質の産生作用をもつ有効成分の働きによるものだという。

 乳酸の強い刺激を感じた被験者が、開発品を塗布することで、乳酸の刺激感を感じにくくなったことを確認した。同技術により、強い刺激に対する感受性が即時的に緩和されることが期待される。

 これらのことから、同技術は花粉やハウスダストなどの付着によって生じる、皮膚のかゆみや炎症を発生しにくくし、抑制する効果が期待できることがわかった。今後はこの技術を活用し、外出時の花粉やハウスダストが気になる人や、慢性的なかゆみに悩む人に向けたオリジナル化粧品の開発につなげていく。
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