物産フードサイエンス、静菌効果をもつ糖アルコールの提案強化

週刊粧業 2023年12月4日号 11ページ

カンタンに言うと

  • デオドラント関連での引き合い増加傾向
物産フードサイエンス、静菌効果をもつ糖アルコールの提案強化
 物産フードサイエンスは、グルコースから発酵法にて製造される単糖の糖アルコール「エリスリトール」の提案に注力している。化粧水等に配合するとさっぱり感やべたつきのないテクスチャーを付与する。

 ワキガや足臭につながる「体臭原因菌」に関する培養試験で他の糖アルコールと比較して高いデオドラント効果が確認できたほか、ヒト臨床試験でも、プラセボと比較して腋の臭気強度が大きく下回ることが確認された。

 「アクネ菌」は遺伝子型により複数のタイプに分類され、ニキビへの悪性度が異なることが知られている。培養試験では、善玉アクネ菌の増殖を促進、悪玉アクネ菌の増殖を抑制し、特異的な静菌効果が見られた。

 「マラセチア菌」は、脂漏性皮膚炎やフケ症など、皮膚疾患の原因になる。エリスリトールは他の糖質と比べて、マラセチア菌に対しても有効で、高い増殖抑制効果を示すことを見出している。

 現在、エリスリトールはデオドラント関係での引き合いが多い。一般的なデオドラント製品や制汗剤では「殺菌剤」を使用するケースが多く、無害・有害に関わらず、全ての菌を死滅させる。一方、エリスリトールの有する「静菌作用」は、特定の菌をそれ以上増やさずに、菌数を一定以下に保つ。そのため、菌叢のバランスを壊すことなく、目的の菌に作用させることができ、菌叢の多様性を高めて環境変化に強い菌叢をつくる。

 デオドラント商品は殺菌剤や消臭剤、マスキング剤など、様々なアプローチ方法がある。エリスリトールは保湿剤の延長線上で、静菌作用を持つことがアドバンテージといえる。糖アルコールは植物由来の素材であり、昨今のサステナブルな潮流にもマッチしている点も強みだろう。今後も研究成果とともに提案活動に注力していく方針だ。
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