アンズコーポレーション、3D皮膚モデルを用いた技術で肌が求める3つの「進化」を具現化

週刊粧業 2024年1月1日号 77ページ

カンタンに言うと

  • 長く愛用されるモノづくりを目指し、王道や常識も徹底追求
  • フェーズフリーや発酵など時代の価値観も開発に反映
アンズコーポレーション、3D皮膚モデルを用いた技術で肌が求める3つの「進化」を具現化
 LTV型の化粧品ODMを推進するアンズコーポレーションは、第14回 化粧品開発展で「The skin wants~お肌が求めていること」をテーマにブース出展する。「肌」をイメージした展示ブースで、生活者が肌に求めているウォンツとして「効果実感の進化」「王道の進化」「価値観の進化」の3つを掲げ、開発製品を紹介する。

 処方化技術には、独自の3D皮膚モデルを使用した機能性の可視化技術を用いている。開催2日目の1月18日には、化粧品技術/ソリューションセミナーで、「原料・処方の機能性相対比較が可能な新評価試験とブランド開発」をテーマに講演する。

 3D皮膚モデルを用いた独自技術で実現できることについても詳しく説明するという。

長く愛用されるモノづくりを
目指し、王道や常識も徹底追求

 今回のテーマ「The skin wants(スキンウォンツ)」は、LTV型ODMを推進する同社の原点でもある。

 「『お肌は何を求めているのか』。そこに対してとことん突き詰めようということでLTV型ODMをスタートし、研究開発・技術開発に取り組んでいる。これまではテーマ展示も取り入れていたが、今回はテーマをアイテムに落とし込んだ形で提案する」(同社)

 生活者の肌に求める3つのウォンツとして「効果実感の進化」「王道の進化」「価値観の進化」を掲げた。

 「効果実感の進化」では、強みである敏感肌向け製剤の知見やノウハウを活かし、話題の成分「アゼライン酸」を配合したスキンケアや次世代型のピーリングセラムを紹介する。

 アゼライン酸は、美容医療分野で美容効果が高い成分として認知・人気が高まっている。高い効果が得られる一方、肌に刺激を感じやすい成分としても知られている。今回、高い効果実感と刺激が少ない高い安全性を両立させた製剤の開発に成功した。

 次世代ピーリングセラムは、前回の展示会で紹介した「AHA+PHA」のピーリング剤が好調でいくつかの商品企画が動き出しているという。今回は、その間に得た顧客の要望・ニーズを取り込む形で、新たなピーリング剤を開発した。

 2つめのウォンツは「王道の進化」だ。誰もが知っている成分、誰もが求めている使用感など「王道」と呼ばれる変わらない価値にも進化を求めていく。

 1つは、肌への浸透にこだわったローション(浸透実感ローション)だ。化粧水の王道である「浸透」の進化を肌で実感させる。

 「生活者によって、スーッと入っていく感覚を浸透と捉える方がいれば、肌になじんでいく心地よさを浸透と捉える方もいる。個人によって異なる浸透実感の知見を深めていきたい」

 ブースでは、浸透実感の異なる2種類のローションを用意した。浸透力のアピールでは、ナノ化などの技術力をアピールして紹介されることが多いが、「浸透実感」や「心地よさ」を前面に押し出し、浸透実感や使い心地の比較評価をしてもらうという。

 「王道だと思われていることにも着目することで、生活者にとって意味のあるモノづくりを推進していく。王道だからこそ、実は好みが分かれ、違いも実感しやすいのではないか。チャレンジングな取り組みであるが、LTV型ODMの理想に近いと思う。生活者に長くお使いいただけるものを提供したい。当社のこうした取り組みに共感いただけるクライアントと一緒に、王道の価値を一緒に考え、王道の進化を遂げていきたい」(同社)

 「美容成分の王道」の進化にもチャレンジする。人気成分「ビタミンC」と、開発を得意とするスティック製剤を組み合わせ、「ピュアビタミンC」を20%高配合したスティック美容液を開発した。ビタミンC化粧品の進化を「即感」させるという。



フェーズフリーや発酵など
時代の価値観も開発に反映

 3つめのウォンツ「価値観の進化」では、時代や世相を反映させた化粧品を展示する。

 1つは最新のサステナブルな原料・資材を用いた製品だ。

 「生活者の価値観は多様化してきているが、『サステナブル』は幅広い世代に共通する価値観だと捉えている」(同社)

 コロナ禍のパンデミックや自然災害の多発で注目を集めている「フェーズフリー」に対応する化粧品も提案する。非常時にも安心して使える製品設計で、新たな価値の創出を図る。

 発酵エキスを配合した製品も紹介する。 

 「化粧品は、世代や時代の価値観も重要なファクターだと捉えている。トレンドにもなっている『発酵』スキンケアでも当社らしさを出していきたい」(同社)

 今回の展示製品には、独自の3D皮膚モデルを使用した機能性の可視化技術も用いている。技術の確立から、ODM開発に活かせるノウハウや知見の体系化を進めてきた。いよいよ実装させる。

 具体的には、改良・リニューアル時の従来品との比較評価が可能で、コンペティターの比較分析も行うことができる。使用する3D皮膚モデルは、敏感肌や乾燥肌など様々な皮膚モデルの開発も進めており、興味を示した企業とはODMの製剤開発でその技術を活用していくという。
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