強みを活かした新成長事業で飛躍へ
来るべき新たな時代にサスティナブルな企業体質を構築するため、新たな事業創造を図ろうとする企業の動きはより活発になることが予想される。
業界最大手の資生堂は、「これまで出会えなかった新たなお客さまへのアプローチ」として、業界に先駆け、パーソナライズド・ビューティを叶えるIoTコスメ「Optune(オプチューン)」を本格始動した。
ポーラ・オルビスHD
ポーラ・オルビスグループは、創業100周年にあたる2029年を見据え、2017年度にグループ理念を刷新した。「感受性のスイッチを全開にする」という新たなミッションのもと、グループ理念の実現に向け、2018年より社内ベンチャー制度から生まれた新事業(女性起業家特化コーポレートベンチャーキャピタル事業)を本格始動している。
女性の社会進出を応援し続けてきたポーラ・オルビスグループだからこそ、次世代のロールモデルとなる女性リーダーを創出することに意義があると考え、そのための手段として女性起業家を対象にしたコーポレートベンチャーキャピタル事業を提案した。
ポーラ・オルビスHD
ポーラ・オルビスホールディングスでは、2016年11月に社内ベンチャー制度の公募を開始した。国内外から50件を超える応募の中で書類審査、事業化計画プレゼンテーション、事業計画作成プロジェクトの期間を経て、2018年より新事業(伝統工芸と企業のコーディネート事業)がスタートしている。
ポーラ・オルビスグループがこれまで取り組んできた文化芸術支援のリソースを活用したビジネスを展開すれば、将来的に素晴らしいものに成り得ると考え、伝統工芸と企業のコーディネート事業を提案した。
小林製薬
小林製薬は、「肌を原因から治す有効性と使い心地にこだわり、顔から身体のすみずみまであきらめていた肌悩みを改善」をコンセプトとする「スキンケア医薬品」カテゴリーを成長領域とし、毎年新製品を発売し続けることをミッションに掲げて製品開発を進めている。
「肌をあきらめない」というコンセプトのもと、アンブレラ戦略で製品開発を進めていく方向性が固まった。ヒットしたからこそ明かせるが、アットノンは当初、広告・宣伝の是非も社内で議論となった。
マンダム
マンダムは、長年にわたる男性の体臭研究から、汗臭・加齢臭とは異なる30~40代男性特有の第3のニオイを発見し、それを「ミドル脂臭」と名づけ、2014年より男性化粧品ブランド「ルシード」のニオイケアシリーズとして製品を発売している。
男性ニオイ対策のほとんどの製品が汗臭か加齢臭を訴求ポイントにしている一方、当社はそれらとは異なる「ミドル脂臭」を前面に打ち出しているという点で、市場の中でも独自の路線への歩みを進めているといえるだろう。