ライオンは2011年11月24日、順天堂大学医学部眼科・村上晶教授を招き、「涙を科学する~コンタクトレンズと涙と目薬の深い関係について」と題してヘルスケアセミナーを開催した。 冒頭、同社ヘルスケア事業本部 薬品事業部の猪崎紀氏が登壇し、日本人と目薬の関係や「スマイル」ブランドの今後の方向性について説明した。 日本の目薬市場は現在、約634億円と世界最大となっている。この点について猪崎氏は、「日本には古来から目の疫病が多かったことが背景にあるのではないか」と見解を示した。江戸時代には日本人の眼病が多く、近年でも昭和22年まで失明を招く『トラコーマ』の罹患者数が32万人も存在していたが、生活習慣と医療が発展するとともに日本の市販目薬は他国にはない進化を遂げ、「眼病の多い国から一転し、失明予防の指導国となった」(猪崎氏)と変遷を語った。 そして最後に、猪崎氏はスマイルシリーズについて「うるおいと涙本来の4つの機能を補う成分を配合するコンタクト用目薬として1997年より展開し、中でも『スマイル40EX』は日本で最も販売されている。2012年からは、スマイルシリーズを『瞳のコンディショニングケアブランド』に位置づけ、高機能付加価値ラインとしてより充実させていきたい」と今後の方針を述べた。 続いて、村上教授が涙とコンタクトレンズ(CL)について講演を行った。 涙(涙液)は、水分の蒸発を防ぐ「油層」、目の角膜や結膜に栄養分を与える「水層」、涙全体を目の表面で安定に保つ「ムチン層」の3層成分からなる。 村上氏は、20代(n=32)と50代以上(n=23)の涙液量の比較データをもとに、「涙を作る機能は年をとるにつれて低下し、涙液量が不足したり涙の成分バランスが崩れる」と指摘した。また、パソコンやテレビなどのVDT作業時間が増えたことや不規則な食生活、あるいはCLの装用により「涙を正常に維持することが難しくなってきている」と生活習慣の変化が目に与える影響を説明し、涙本来の機能を維持するためには「積極的にまばたきをして、目に良いとされるビタミンA、C、B2の食品をバランス良く摂取すること」と語った。
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この記事は粧業日報 掲載
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