ポーラ、紫外線による皮膚弾力の低下を抑制する新規機能性粉体を開発

訪販ジャーナル

ポーラ、紫外線による皮膚弾力の低下を抑制する新規機能性粉体を開発

 ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業(本社:東京都品川区、岩﨑泰夫社長)は、紫外線から皮膚を防御する新たな機能性粉体の開発に成功した。その粉体とは、ヒートショックプロテインの発現促進効果を持つエクトインを、タルク表面に修飾したエクトインタルクを合成したもの。

 紫外線を浴びると表皮にあるメラノサイトという色素産生細胞でメラニン色素の生成が増えて、メラノサイトの周りにある表皮細胞へとメラニン色素が受け渡される。その表皮細胞は黒色のメラニン色素を過剰に蓄え、やがてその部分が黒いシミとなる。一方、真皮の深部まで達する紫外線によってシワやタルミが引き起こされる。

 従来のメーキャップ製品では、これらの原因となる紫外線を防止するために、二酸化チタン等の紫外線散乱剤が活用されている。

 今回ポーラ化成工業は、熱ストレスを受けることで発現するヒートショックプロテインに着目し、この産生促進効果を持つエクトインをタルク表面にコーティング処理した「エクトインタルク」を合成した。

 タルクは板状の粉体であり、皮膚表面に密着する特性を持っている。すなわち、エクトインタルクをメークアップ製品に活用することで、日中環境下でエクトインを効率よく皮膚に供給して、その防御機能を高めることが期待できる。なお、本技術を応用した商品を、ポーラから今夏に発売する。

ヒートショックプロテインとは…

 身体に熱などのストレスが加わった時、ダメージから身体を防御しようとして作られる特殊なタンパク質。細胞のタンパク構造を強化したり、ダメージを修復する働きがある。

エクトインとは…

 エクトインは温度変化・紫外線・塩濃度および乾燥といった過酷な生育環境である砂漠(エジプト)の塩湖に生息する微生物(学名Halomonaselongata)を由来とする環状アミノ酸。塩や温度のストレスに対する耐性があり、紫外線や乾燥のようなストレスから皮膚を守る働きを持つと言われている。

【実験1】温度がエクトインタルクの表面特性に及ぼす影響

 夏の日差しを受けると皮膚表面温度が上昇する。そこで、温度がエクトインタルクの表面状態に及ぼす影響を検討した。その結果、エクトインタルクを高温条件にさらすことにより、粉体表面が水で濡れるまでに要する時間が長くなることがわかった。このぬれ時間の延長は、粉体の表面状態が親水性から疎水性(水をはじく性質)に変化することを示す。このことより、高温環境下で、エクトインがタルク表面から脱離したことが示唆される。

【実験2】エクトインの有無が紫外線照射された培養細胞に及ぼす影響

 皮膚弾力性を与えるコラーゲン構造の紫外線照射に伴う破壊挙動に着目し、その加速因子であるIL-6に対するエクトインの抑制効果について検証した。その結果、エクトイン存在下ではIL-6の放出量が抑制されることがわかった。

【実験3】エクトインタルクを配合したメーキャップ化粧料の皮膚弾力値低下の抑制効果

 紫外線防御指数(SPF20)のメークアップ化粧料に、エクトインタルクを配合し、皮膚弾力性について検討した。その塗布部位に紫外線(UVB)を照射した結果、エクトインタルク配合のメーク膜では、UVB照射前後における皮膚弾力値低下に対する抑制効果をもつことがわかった。

【本件に関する問い合わせ先】
(株)ポーラ・オルビスホールディングス広報・IR室 (担当:菊池)
Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543

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