コーセーの2021年12月期第1四半期連結業績は、昨年の反動により国内・中国での販売が好調に推移し、売上高は調整後前年同期比2.7%増(為替影響を除く調整後前年同期比2.4%増)の587億7000万円となった。
利益についても売上増、コストコントロールにより大幅に伸長しており、営業利益は211.6%増の34億5600万円、経常利益は139.6%増の37億3300万円、純利益は49.8%増の23億7800万円となった。
同社では、今期より3月から12月に決算期を変更しており、「収益認識に関する会計基準」を遡及適用したと仮定して調整後前年同期比を算出している。
事業セグメント別では、化粧品が売上高で5.1%増の486億700万円、営業利益で5.8%増の63億3800万円、コスメタリーが売上高で5.8%減の98億6700万円、営業損失で16億8100万円(前年同期は25億1100万円の損失)、その他が売上高で39.2%減の2億9500万円、営業利益で134.9%増の7000万円となった。
化粧品事業は、中国では「デコルテ」が全てのチャネルで好調に推移した。日本ではメークアップブランドが苦戦したものの、アルビオンや「デコルテ」「雪肌精」などの主要ブランドが回復し、「カルテHD」が引き続き好調に推移した。
コスメタリー事業は、ヘアケアブランド「スティーブンノル ニューヨーク」、コーセーコスメポートの「サンカット」「ソフティモ」が好調に推移したが、コスメニエンスブランドのリニューアルに伴う返品の影響により減収となった。
その他の事業については、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が減少し、売上は大きく減少したものの、コスト低減により大幅増益となっている。
地域別売上高は、日本が5.4%増の337億8800万円、アジアが7.4%増の178億7400万円、北米が15.6%減の64億4700万円、その他が26.6%減の6億5900万円となった。
日本は、昨年の反動により主要ブランドが百貨店や専門店チャネルにおいて回復し、メゾンコーセーを中心としたeコマースも引き続き好調に推移した。
アジアは、新型コロナウイルス感染症の影響からいち早く脱却している中国が全チャネルにおいて好調に推移した。中国以外では、韓国が1~2月は厳しい状況だったが、3月には回復傾向となり、台湾は昨年の反動により好調に推移した。
北米は、タルトが店舗での営業を再開し、eコマースも引き続き伸長したが、都心部やモール内店舗は引き続き苦戦するなど、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。
その他エリアについても、欧州におけるタルトが米国同様、eコマースが好調に推移し、店舗での営業を再開しているものの、観光客売上の大きな店舗が苦戦するなど、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。
通期予想については変更がなく、売上高2380億円(調整後前年比11.5%増)、営業利益200億円(同20.8%増)、経常利益205億円(同7.4%増)、当期純利益142億円(同1.5%増)を見込む。