ライオン、コロナ禍での手洗い実態を調査

粧業日報 2021年10月13日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 食事前に必ずハンドソープで手を洗う人は4割未満
ライオン、コロナ禍での手洗い実態を調査
 ライオンは、昨今の社会情勢の変化により手洗いの重要性が認識されている中、全国の20~69歳の男女5000名を対象に、コロナ禍での手洗い実態(期間=7月12~14日)についてインタネット調査を実施した。

 その結果、外出先から自宅や会社などに戻った際、必ずハンドソープで手洗いしている人は約7割いるのに対し、自宅で食事前に、必ずハンドソープで手を洗う人は4割未満という結果となった。「家の中はキレイだから、食事前には手を洗わなくても大丈夫」という意識が背景にあるようだ。

 厚生労働省が感染予防のポイントの1つに「手洗い」をあげているように、細菌やウイルスを体内に入れないためには、普段より丁寧に手を洗うことが大切であり、特に食事の前には、ハンドソープなどでしっかり手を洗って清潔にすることが感染症の予防には有効といえる。



 調査では、1日の手洗い回数について調べた。1日に4回以上手洗いしている人が約8割(4~6回:28.4%、6~10回:35.9%、11~20回:12%、20回以上:3.5%)で、ほとんどの人が手洗いを行っていることがわかった。また、全体の1日あたりの手洗い回数の平均は8.9回だった。



 また、外出先から自宅や会社に戻った際、約7割(69%)の人が毎回手洗いを行い、ハンドソープも毎回使用していることがわかった。一方、外出先から戻った際、手を洗わないとした人が5.5%おり、手洗いはするがハンドソープを全く使わない人も7%いた。

 自宅で食事をする前に必ずハンドソープで手を洗う人は35.8%おり、手を洗っていない人は2割(20.8%)もいることがわかった。また、外出先から戻った際の手洗いと比べると、必ずハンドソープで手洗いする人の割合が、約半数になっていることもわかった。

 同社では、オンラインのチャット機能を使ったインターネット調査にて食事前に手を洗わないと答えた20~75歳の男女315名に対し、なぜ自宅で食事前に手洗いをしないのか、その理由について尋ねたところ、「家の中だから大丈夫という変な安心感」「家の中はきれいだから」「面倒だから」などという意見が多かった。

 今回の調査では、外出先から帰ってきた時はハンドソープを使ってしっかり手を洗っていても、自宅で食事前にしっかり手を洗っている人は少ないことが判明した。



 ただ実際には、家の中は意外と汚れており、特に「冷蔵庫のドア」「ぬいぐるみ」「リモコン」などは、「玄関やトイレのドア」よりも汚れていることがわかっている。

 次に、家の中であっても人から人へ物を介して菌が移る様子を実験で確認した。食事の準備で野菜を洗った人が冷蔵庫のドアを触り、その後、手洗いしたきれいな手で別の人が冷蔵庫のドアを触り、菌がどれだけついているのかを調べた。その結果、野菜を洗った人の手についた菌が、冷蔵庫のドアを介して別の人のきれいな手に移っていることがわかった。

 「もし、手を洗わずに食事やおやつを食べてしまうと、身体内に菌が入っていく可能性があるので注意が必要だ」(同社)



 衛生マイスターの藤井日和氏は、今回の消費者実態調査と家庭内を想定して菌の遷移を確認した実験結果を踏まえ、「家の中では『手は汚れていないので大丈夫』と思っていても、汚れている可能性がある」とし、食事の前には必ずハンドソープなどを使って手洗いをすることを推奨している。

 また、洗面所が遠く、手を洗うのが面倒と感じる時には、手指消毒剤の使用を奨めている。
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