エー・アイ・システムプロダクト、高機能還元性イオン水に新たな研究成果

C&T 2021年12月15日号 78ページ

カンタンに言うと

  • 還元水として世界初、「高機能還元性イオン水」に自己細胞由来のセラミド合成の促進を確認
  • 「高機能還元性イオン水」の特徴


エー・アイ・システムプロダクト、高機能還元性イオン水に新たな研究成果
 エー・アイ・システムプロダクト(本社=愛知県春日井市、岡島眞裕社長)は2021年秋、特許製法による自社開発原料「高機能還元性イオン水」の新たな研究成果として「自己細胞由来のセラミド合成を促進する」作用を発表した。

 この研究成果は化粧品の基剤として使用することによりユーザー自身のセラミドを産生することを意味する。

 同社の専務取締役(工学博士)の岡島儀尚氏は、「還元水・アルカリ電解水として世界初の研究報告となる。当社のイオン水が持つ特性を国内外に広く発信し、化粧品・医薬品領域でイオン水を使った用途開発をさらに広げていきたい」と話す。



還元水として世界初、「高機能還元性イオン水」
に自己細胞由来のセラミド合成の促進を確認

 日本薬科大学・薬学部・生命科学薬学分野(准教授:山本博之)との共同研究により、「高機能還元性イオン水」(以下、イオン水)がヒト角化細胞中のセラミド合成に関わる遺伝子の発現とセラミドの合成を内因的に誘引することが確認された。

 図1はイオン水によるセラミド合成に関わる遺伝子CerS3およびELOVL4のmRNA発現量を示し、それぞれが濃度依存的に有意に亢進した。



 さらに、図2はセラミドおよび極長鎖脂肪酸を含むグルコシルセラミドの産生を表し、本イオン水によって角化細胞内でのセラミド合成が促進されることが実証された。

 セラミドは皮膚のバリア機能や水分保持を担う脂質であり、年齢と共にその産生量は減少するため、セラミドの産生不足が乾燥ジワ(小ジワ)の原因となる。

 また、アトピー性皮膚炎の患者は質の高いセラミドが少ないことが分かっており、肌を健常にするためには皮膚に適したセラミドを増やすことが必要不可欠となる。

 一般的な還元水、アルカリ電解水はセラミドを含む脂質を溶かすが、本研究結果は使用者自身のセラミドを産生することを意味し、他の還元水、アルカリ電解水では起こりえない、常識を覆す世界初の報告となる。

「高機能還元性イオン水」の特徴

 「高機能還元性イオン水」は、水とミネラル塩のみで構成されたアルカリ性(弱塩基)と還元性(抗酸化)を持った液体だ。還元水やアルカリ電解水の1つとして分類されるものの、独自の特許製法により一般的な還元水・アルカリ電解水が持つ特性とは大きく異なり、ヒトのタンパク質の分解を起こさず、他に類を見ない高い還元性を有する。この特性を活かし、本イオン水はスキンケア、ヘアケア、医療用途など国内外の様々な会社、病院などでの使用実績を持つ。

 還元とは抗酸化を意味し、抗酸化は人体にとって有益な効果が得られることが知られている。一般的な還元水などでは酸化還元電位(ORP)が低いことを特徴に「還元性」と伝えるケースが多いが、本イオン水は実際の還元反応を評価する「生物学的抗酸化(BAP)」が高いことを特徴とし、高い還元性を持つことを確認している。

 地球環境にやさしい研究をしたい――。そう研究者ポリシーを掲げる岡島社長が、地球の大半を占める海水の構成成分に着目し、水とミネラル塩のみで構成されたイオン水を開発した。今から30年前のことだ。



 開発したイオン水は、電解質がアルカリ性(弱塩基)と還元性(抗酸化)を有する安全性の高い液体で、研究を進めていく中で皮膚に対して様々な作用があることを発見していった。

 そのイオン水の持つ特性を生かし、化粧品・医薬品分野にてこれまでに様々な研究成果を国内外の学会や展示会などで発表している。

 コロナ禍の20年秋には、高機能還元性イオン水が、新型コロナウイルス(SAS-CoV-2)に対して20秒で 99.99%以上不活化する効果が認められ、コロナ感染予防・対策に有効な液体の販売を開始した。

 長期化するコロナ禍で、肌への安全性が高い抗ウイルス剤として、様々な衛生対策製品に採用されている。(図3)



 化粧品分野では、皮膚への高い浸透性や強力な抗酸化力といったイオン水の特性を生かし、高機能還元性イオン水「S-100」とイオン水をジェル化した「VG-100」などを展開している。

 2017年10月にパリ・ルーブル美術館で開かれた国際化粧品展示会「COSMETIC360」では、「S-100」が化粧品原料3500種の中から日本初となる最優秀賞を受賞し、注目を集めた(図4(a))

 20年3月にはドイツ・ハンブルク本社のBSB社が主催する「BSB Innovation Award2020」にて革新的な化粧品原料として3位を受賞している(図4(b))

 医薬品の分野でもヨーロッパを中心に海外でも高い評価を得ている。コロナ禍が長期化する中で、肌のバリア機能を高める抗ウイルス剤として今後も開発が進む見込みだ。
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