セントリックソフトウェア、誰もが使いやすい「コスメ向けPLM」を提案

C&T 2022年9月15日号 60ページ

カンタンに言うと

  • 各部門のモノづくりプロセスを可視化し、サプライヤーとの情報共有や協業も実現
  • PLM導入で市場投入期間の短縮をはじめ、生産性向上や原価低減、収益性向上に効果
セントリックソフトウェア、誰もが使いやすい「コスメ向けPLM」を提案
 米国シリコンバレーに本社を置く小売向けPLM(製品ライフサイクル管理)ベンダーのセントリックソフトウェアは、アイデア段階から企画・設計・仕様決定、そして生産・販売までの一連の工程における情報を一元化し、コスト、デザイン、素材、サンプル、進捗、収益性を一気通貫で管理するPLMソリューションを提供している。

 グローバルでは600社・5000ブランドに導入され、コロナ禍以降、ここ数年で急速に導入実績を伸ばしている。今回は、モノづくりの煩雑な業務プロセスを管理し、商品開発を多面的に支援する同社の「次世代型コスメ向けPLM」について、セールスディレクターの橋永重弘氏に話を伺った。

各部門のモノづくりプロセスを可視化し
サプライヤーとの情報共有や協業も実現

 化粧品製造を含む専門小売業の企業では、商品開発プロセス(企画・設計)において商品仕様に関するやり取りや情報の管理を、メールやエクセルで行っているケースが多い。

 その場合、様々なシステム、メールの本文、エクセルファイル、PDFファイルに情報が点在するため、膨大な情報や資料の中から商品に関する最新の正確な情報を組織的に把握するには、属人的なデータ更新や情報集約作業を余儀なくされているケースがほとんどである。

 PLMを導入する効果として、こうした情報を中央的に一元管理することで、1つの情報を探すために膨大なメール履歴からデータを探すといった非効率な作業をなくすことが可能だ。

 その結果、本来の商品開発や市場調査など企業にとって価値ある業務に社員のリソースを割けるようになり、変化の目まぐるしい化粧品市場に求められるコンプライアンスに対応しながら、魅力的な新しい商品を迅速に次々とリリースしていくことが可能になるという。



 また、PLMは商品のコンセプトづくりから販売までの商品に関する業務を一元管理するシステムであるため、研究開発、生産や品質管理、マーケティングといった各部門のモノづくりプロセスを可視化し、生産リードタイムを短縮できるほか、調達コストの最適化、各国の規制要件、各種認証への対応、トレーサビリティ実現、サステナビリティ対応の基盤が整う。

 さらに、クラウドベースのプラットフォームという特性上、自社だけでなく社外のサプライヤーとのデータ連携・共有も可能で、サプライヤーが直接システムへアクセスし、詳細な見積書・仕様書の作成から、納期(リードタイム)、さらには組成、配合、素材、ラベル、コスト、パッケージ、品質管理の情報など、商品に関する様々なデータをタイムリーに共有し、協業できる。

 「同じシステムを共有していると、履歴や進捗状況をすぐに把握できるため、PLMはサプライヤーとの情報基盤という役割も担う。ユーザインターフェースに関しては、これまでエクセルで情報を管理していた人ならば誰でも使えるような、直感的に操作できるUIとなっている。当社が提案しているPLMソリューションは、クライアントの要望に対応できる幅広い標準機能を用意しており柔軟性が高く、画面に表示される属性情報の詳細項目も個人に合わせた設定が可能であり、豊富な機能に加えて使いやすさが『次世代型PLM』として受け入れられている」(橋永氏)

 PLMに搭載している機能の一例として、工程管理では、商品リリースのスケジュールから逆算して処方や容器の開発で必要な各種ステータスの進捗状況を設定できる。これにより、開始予定を過ぎた作業工程が生じた場合には自動的にアラートが担当者に通知され、進捗遅延が防げるという。

 「開発する品番が多くなると、どの工程がどこまで進んでいるのか進捗管理が煩雑になってしまう。データ管理だけではなく業務プロセスも管理し、さらには最終的にどのようなワークフローで誰がどの情報を承認したかといったステータス管理までしっかりとマネジメントできる。こうした業務視点での一気通貫の情報とプロセスの統合管理が実現できる点は、お客様から特に好評だ」(橋永氏)



PLM導入で市場投入期間の短縮をはじめ
生産性向上や原価低減、収益性向上に効果

 PLMの具体的な導入効果としては、「市場投入期間の短縮」「生産性向上」「原価低減」「収益性改善」の主に4点が挙げられる。

 市場投入期間の短縮の例では、常に最新の正確な情報や状況を参照できるため、商品のコンセプトや意思決定プロセスの準備にこれまで2週間を費やしていた期間が4時間に短縮されたケースもある。無駄の排除と効率化の積み上げにより、新商品をスピーディーに市場投入することが可能となり、導入企業平均では約40%の期間短縮を実現している。
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 生産性向上の例として、ある企業では導入前後1年の比較において同じ開発メンバーの陣容で新製品投入アイテム数の15%増を実現するといった成果を上げており、導入企業平均では約35%の生産性向上に寄与している。

 原価低減では、ブランドごとによってバラバラだった容器や原料などの調達を捕捉し共有することで共同購買が可能となり、生産計画に応じて最適な容器・原料の調達を実現し、導入企業平均で約5%の原価低減につながっているという。

 収益性改善は、競合他社よりも早く魅力的な新商品を市場に投入することで最盛期シーズンでの売上拡大といった効果と品揃えの最適化による値下げ販売の抑制等により、導入企業平均で約10%の収益性改善を実現している。

 「2021年より、化粧品業界に向けて商品開発の業務プロセスに特化した『化粧品&パーソナルケア用品向けPLM』をリリースし、今夏にはプレミアアンチエイジング様に採用いただいた。ブランドや社員が増えて事業規模が拡大する中、スピード感を持って今後の業務を進めていくうえで、ナレッジ共有の基盤構築は重要であり、使いやすい『次世代型のPLM』である点が評価された」(橋永氏)
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