資生堂、世界初のサステナブルな化粧品つけかえ容器を開発

粧業日報 2022年11月4日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 従来のつけかえ容器に比べ約70%のCO₂排出量削減を実現
資生堂、世界初のサステナブルな化粧品つけかえ容器を開発
 資生堂は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、2030年に向けて「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しており、注力するスキンビューティー領域で新たな価値を提案し、顧客とともに環境負荷軽減に貢献する取り組みを進めている。

 今回、同社は「ボトル製造」と「中味液充填」をワンステップで実現する技術「LiquiForm(リキフォーム)」を世界で初めて化粧品に採用し、環境負荷軽減に貢献する化粧品のつけかえ容器を開発した。今後、この容器を活用した商品をプレステージブランドなどで展開していく。

 「LiquiForm」とは、AMCOR(アムコア)社が中心となって開発した新規容器技術であり、この技術を実用化した吉野工業所と資生堂が共同で化粧品容器を開発した。化粧品容器の製造に関する吉野工業所の知見と、製品の品質保証、デザイン性や仕様など化粧品製造に関する資生堂の知見を活用し、今回、LiquiFormを化粧品容器に応用することが可能になった。

 LiquiFormを活用した化粧品のつけかえ容器は、単一素材設計なのでリサイクル適性に優れ、容器単体のプラスチック使用量も大幅に削減することが可能だ。原材料調達から生産、使用、廃棄のサプライチェーン全体で、同社の標準的な従来のつけかえ容器(同容量)に対して約70%のCO₂排出量を削減できるという。

 同社では、この新規容器を、顧客とともに環境課題を考えるきっかけづくりを行う切り札になると考えており、引き続き「美」の価値創造に向け、全てのステークホルダーとともに環境・社会課題解決に向けたアクションに取り組んでいく。
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