ファンケル、ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発

訪販ジャーナル 2023年1月23日号 6ページ

カンタンに言うと

  • ファンケルとキリンが協働で地球温暖化の防止に貢献
ファンケル、ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発
 ファンケルは、キリンホールディングスとの間で、2019年の資本業務提携を契機にさまざまな共同開発を進めている。その一環として、今回、キリンのパッケージイノベーション研究所と共同で、「キリン一番搾り生ビール(一番搾り)」の製造工程で発生する副産物であるビール仕込粕から抽出したヘミセルロースを用いた植物由来の化粧品包材を開発した。

 ファンケルでは環境に配慮し、パウダーファンデーションなどのコンパクトケースを繰り返し使用する製品には、レフィルを販売して付け替えができるようにしている。現在、このレフィルにはブリスター包装を採用し、その材質には石油由来のPET素材を使用しているが、さらなる環境配慮を踏まえ、植物由来のブリスター包装素材の必要性を検討してきた。

 セルロースは、植物由来であることから焼却処分をしても大気中の二酸化炭素にあまり影響を与えず、地球温暖化の対策に有効と言われているが、成形加工がしにくいため、セルロースのみでブリスター包装の材料となるシートに製造することが難しいという課題があった。そこで、ヘミセルロースを原料とするバイオプラスチックの研究開発・製造を行っている事業革新パートナーズの協力を得て開発を行った。

 研究では、一番搾り製造時の副産物であるビール仕込粕から抽出したヘミセルロースをセルロースに混合した結果、流動性が高く加工性が向上したシートの製造条件を見出すことができた。

 このシートを用いて、ブリスター包装の製品化を検討したところ、原料由来のシートの色やにおいの抑制などに課題はあったが、国内で初めてビール仕込粕から植物由来のレフィル用ブリスター包装の製品化に成功した。
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