日本メナード化粧品は、肌の再生が開始されるメカニズムについて研究を進め、「老化した細胞が取り除かれた情報を幹細胞が感知し、肌の再生を開始する」ことを発見した。さらに、この幹細胞の感知能力は加齢や紫外線により低下することもわかった。
また、アニスの種子から抽出したエキスに、幹細胞の感知能力を高め、肌の再生の開始を促す効果を見出した。今後、この研究成果を肌の自浄機能に着目した新しいスキンケア商品の開発に応用していく。
身体の中では、幹細胞から新しい細胞が生まれ、それぞれの役割を果たし、やがて老化していく。老化した細胞（老化細胞）は、機能が低下するだけでなく、周囲の組織に悪影響を及ぼす物質を分泌するようになる。
同社はこれまでに、肌の老化細胞について研究を進め、表皮・真皮における老化細胞を除去するメカニズムを発見してきた。さらに、肌の再生メカニズムを研究する中で、老化細胞の除去が幹細胞による肌の再生に大きく関係していることを突き止めている。
今回、表皮と真皮において、老化細胞が除去されるときに幹細胞を活性化する成長因子が分泌されていることを発見した。この成長因子を幹細胞が感知すると、新しい細胞を供給し、肌の再生が始まることから、老化細胞の除去が肌の再生のきっかけになっていることが明らかになった。
一方、加齢や紫外線によって、幹細胞における成長因子を感知するセンサー（受容体）の発現が低下することも明らかになった。すなわち、幹細胞が成長因子を感知できなくなり、肌の再生が遅れてしまうと考えられた。
そこで、成長因子の受容体の発現を高める素材を探索した結果、アニスの種子から抽出したエキスに優れた効果を見出した。老化細胞の除去を感知する幹細胞の能力を高め、肌の再生の開始を促すことが期待される。
