花王とNANO MRNA、mRNA医薬品創薬に向け包括共同研究契約締結

粧業日報 2023年11月20日号 3ページ

カンタンに言うと

  • パートナーとの協働による創薬活動で人々が必要とするmRNA医薬品の提供へ
花王とNANO MRNA、mRNA医薬品創薬に向け包括共同研究契約締結
 花王とNANO MRNAは、花王が独自開発した免疫制御技術「SNAREVAX(スネアバックス)」を用いたメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の創薬に向けた包括共同研究契約を締結した。

 花王はこれまで、界面科学や生命科学などに関する長年の研究資産を活用し、清潔・健康・美の実現に向けた様々な製品開発を行ってきたが、今回、生命科学領域の研究を深化させ、mRNA医薬品に応用可能な免疫制御技術を生み出した。

 NANO MRNAは、医薬品開発における豊富な知見を持つmRNA医薬品創薬のパイオニアとして、mRNA医薬品候補の創出に特化した事業を推進。新たな技術を持つパートナーとの協働等による創薬活動を通じ、人々が必要とするmRNA医薬品を届けることを目指している。

 花王は、新技術を活かすパートナーとしてNANO MRNAに注目した。mRNA医薬品で世界の患者へ貢献したいという両社の思いが合致し、2022年から新規mRNA医薬品開発に向けたSNAREVAXの有効性検証を共同で実施。同技術が優れた免疫制御機能を有することを確認してきた。

 包括共同研究では、SNAREVAXを用い、アレルギー疾患をはじめとした領域において画期的なmRNA医薬品創薬に向けた研究開発を推進する。

 アレルギー疾患は世界的な社会課題の1つで、罹患すると著しいQOL低下を招くだけでなく、喘息の発作や食物アレルギーによるアナフィラキシーなど重篤な症状を引き起こすこともある。

 世界アレルギー機構(WAO)によると、世界では、2.4~5.5億人が食物アレルギーに罹患しており、世界の子供の40~50%が1つ以上のアレルゲンを持つと報告されている。また、先進工業国では50年以上にわたりアレルギー疾患の有病率が上昇し続けている。

 今後、両社は既存の医薬モダリティ(治療法)では十分な治療効果を得られない疾患に悩む人々への貢献を目指し、mRNA医薬品の創薬に向けた研究開発を推進していく。
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