資生堂は、20年以上独自に研究を進めてきた肌老化を促進する悪玉因子セルピンb3の遺伝子発現量が高い時、肌の組織構造の強化などに関わる遺伝子であるCCN2の発現が有意に低くなることを明らかにした。また、CCN2は毛細血管に存在する細胞ペリサイトに働きかけ、美肌を維持する上で重要なコラーゲンの主要構成成分やヒアルロン酸の前駆体を増加させることを発見し、CCN2が「美肌遺伝子」であることを突き止めた。さらに、CCN2の遺伝子発現を促進する成分として、チャノキの葉エキスを見出した。
同社ではCCN2発現量は年齢と相関関係がないことも確認しており、これらの研究成果を活用し、年齢に関わらず美しく健やかな肌を実現する新たなソリューション開発を目指す。
今回の研究では、これまでの悪玉因子セルピンb3に関する独自研究と、同社が強みとする血管研究を掛け合わせ、皮ふ内部と肌状態の関係をさらに解明し、より美しく健やかな肌を実現するための新たなソリューション開発への応用を目指した。
まず、悪玉因子セルピンb3の発現が増えた際に影響を受ける遺伝子を広く調べたところ、CCN2という遺伝子の発現量がセルピンb3が多く発現した際に低くなることを確認した。
続いて、美肌との関連が深いことがわかっているペリサイトとCCN2の関係性を調べる研究を行ったところ、CCN2がペリサイトに働きかけることで、真皮の組織構造を強化し、ハリを実現するのに必要なコラーゲンの主要構成成分が増加すること、肌のうるおい保持に欠かせないヒアルロン酸の前駆体が増加することを発見した。これにより、CCN2は毛細血管にもペリサイトを介したアプローチが可能な遺伝子であるということを確認した。また、CCN2の発現量は年齢と相関関係がなく、どの年代の人でもアプローチ可能な遺伝子であることも明らかにした。
さらに、CCN2の遺伝子発現を促進する上で有用な成分を探索したところ、チャノキの葉エキスにCCN2の発現促進効果を見出した。このエキスによって、CCN2の発現促進を介して毛細血管、真皮や肌構造へアプローチし、年齢に関わらず、美しく健やかな肌の実現を目指す。
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この記事は粧業日報 2024年4月15日号 4ページ 掲載
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