花王、すべる表面を持続させる水系離型剤「ルナフロー」を発売

粧業日報 2024年4月18日号 4ページ

カンタンに言うと

  • セルロースナノファイバーを活用した新発想のコーティング剤
花王、すべる表面を持続させる水系離型剤「ルナフロー」を発売

 花王は、ゴムや樹脂製品の製造時に、製品を型枠からスムーズにとり外すための離型剤「ルナフロー RA」を2024年5月に発売する。

 「ルナフロー RA」は、最先端バイオマス素材のセルロースナノファイバー(CNF)を材料として活用しており、優れた離型性と一度塗布すれば繰り返し使用できる。製造工程での作業性向上が期待でき、かつ溶剤フリー・フッ素フリーで環境と作業者の両方にやさしい製品設計となっている。

 CNFは、木材などから得られる繊維をナノレベルまで微細化した最先端のバイオマス素材で、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つなどの優れた特長から、自動車や建築の材料などに活用されている。

 花王は、CNFを使いやすくコントロールする技術(疎水化技術)を保有しており、ユーザーの目的や用途ごとにカスタマイズしたCNFを販売してきた。また、2021年にはCNFと潤滑油を組み合わせることで、塗布した対象面をウツボカズラの袋内部のようにすべる表面にする技術(滑液表面技術)を確立している。今回、これまでの知見や技術を応用した離型剤「ルナフロー RA」の販売を開始することにした。

 昨今の製品の小型化や複雑化によって需要は増加しており、高機能かつ、頻繁な塗り直しが不要な製品が求められている。

 「ルナフロー RA」は、独自技術で高い油保持性を持つようにコントロールした最先端素材のCNFを材料として活用することで、優れた離型性と持続性を実現した。また、溶剤フリー・フッ素フリーの製品設計にしたことで、環境と作業者の両方にやさしい製品となっている。

 ゴムや樹脂製品を型枠で成型する際、流し込んだ材料が型枠に接着してしまうと、作業性低下や不良品発生につながるが、あらかじめ型枠の内側に塗布することで、型枠と材料との間に薄膜を形成し、両者の接着を防ぐ役割を果たす。

 引き続き、離型に課題を抱える業界のニーズに応え、課題解決を後押しできる製品を提案するとともに、ゴム・樹脂だけでなく、幅広い素材に適応可能な製品の開発も目指す。また、将来的には、CNFを活用したすべらせる技術を応用し、汚れを付きにくくする製品への展開も視野に取り組みを進めていく。

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