ロングセラー化粧水「スキコン」、100周年を見据えた新たな挑戦

週刊粧業 2024年5月13日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 周年施策で接点を創出し、店頭に新規顧客を誘引
  • 第一線で活躍を続けて50年、スキコンは出会いの象徴商品
ロングセラー化粧水「スキコン」、100周年を見据えた新たな挑戦

「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル N 485ml」

 アルビオンの薬用化粧水「スキンコンディショナー エッセンシャル(スキコン)」は今年で誕生から50周年を迎えた。流行り廃りが激しい化粧水というジャンルにおいて、5年も売れればロングセラー、10年売れ続けたら一大ロングセラーといわれる中、50年もの長きにわたり第一線で活躍を続け、祖母・母・娘と3世代にわたって愛用されるケースも少なくない。

 この先100年、6世代に愛用され続けるために「50周年を機に、様々な施策を通じて今まで出会えていない若年層にアプローチし、50年後も第一線で活躍し続ける基盤をつくっていきたい」と語るセールスプロモーション部 企画グループ プランナーの前田晴那氏に50周年のプロモーションを中心に話を伺った。

周年施策で接点創出し
店頭に新規顧客を誘引

 ――5年も売れればロングセラー、10年売れ続けたら一大ロングセラーといわれる中、50年もの長きにわたり愛され続けてきた要因を分析していただけますか。

 前田 「スキンコンディショナー エッセンシャル(スキコン)」は、かつてない化粧水をお客様にお届けしたいという想いのもと今から50年前に誕生しました。その当時、朝は収斂、夜は保湿といったように2種類の化粧水を使い分けるのが常識でしたが、それを一本で叶える化粧水をつくろうというのが開発のきっかけでした。

 さっぱりしているのに、後肌がしっとり潤う使用感はとても画期的であり、これ1本で肌が整っていく効果実感があったからこそ、50年もの長きにわたり愛され続けているのだと思います。

 スキコンは最初から勢いよく売れていたわけではありませんが、販売店の皆様が地道にサンプリングを行い、積極的に推奨いただいたことで徐々に口コミで広がっていきました。

 転機は1983年に開始した「マスク美容法」による肌での実感体験でした。商品と活動が結びついたことでそれ以降人気に火がつき、販売店の皆様が熱心に紹介をしていただいたことでスター商品へと駆け上がっていきました。社内教育でもお客様との出会いのアイテムとして最初に勉強するのがスキコンであり、この商品でお客様と出会うというスタイルは数十年間変わらない一つの大きな軸となっています。

「スキンコンディショナー エッセンシャル 50 THアニバーサリー コフレ」

 ――50周年を記念して様々なプロモーションが展開されます。概要についてご説明ください。

 前田 5月18日より50周年を記念する2つのスペシャルな限定品として、たっぷり楽しめるBIGサイズの「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル N」(485ml 1万1000円)と、新クレンジングバーと人気のマスクが入ったスキコンシリーズの堪能セット「スキンコンディショナー エッセンシャル 50 THアニバーサリー コフレ」(5500円)を発売します。

 50周年施策を考えるにあたり最も大事にしたかったのは、スキコンをここまで大きく育てていただいたことへの感謝の気持ちを伝えること。ご愛用者様向けにはお得感のある限定品を発売し、感謝の思いを伝えていきます。

 また、この先100年にわたりスキコンが発展していくためには、これまで育てていただいた販売店様への変わらぬ貢献が欠かせません。通年での周年プロモーションで様々な施策を講じ、新たな接点を創出して、店頭にお客様を誘引することにも取り組んでいきます。

 まずは、一つ一つのプロモーション施策をつなぐため、スキコン50周年を案内する限定のキャラクターの制作を、人気デザイナー・TAROUT氏に依頼しました。

 スキコンの歴史や愛される理由からインスピレーションを受けて誕生したスキコちゃんは祖母・母から続く3代目の見習い妖精、アルビーはハトムギから生まれた妖精という設定にしていただきました。50周年の様々な施策に横串を通す役割を担いつつ、50周年のお祝いをHPやパンフレット、店頭販促物など様々な形でスキコンの魅力を案内していきます。

 今回のキャラクター制作にあたり特に大事にしたかったのは、スキコンが長年愛され続ける商品ということもあり、皆さんに親近感を持って愛していただける存在でありながらも、アルビオンにふさわしい高級感も併せ持つ存在に仕立てることでした。

 そこで白羽の矢が立ったのが数々のハイブランドとのコラボレーションで成功を収めるTAROUT氏ということになります。


「周年ロゴとスキコちゃん、アルビー」

 ――50周年のプロモーション施策についてお伺いします。

 前田 スキコンの周年施策は3月よりスタートしています。まず50周年を迎えたことをアナウンスすべく、全国約100店様にアイキャッチ効果の高いデジタルサイネージ付きの店頭ディスプレイを設置したほか、ご来店いただいた方々に向けてスキコンの魅力をギュッと詰め込んだアニバーサリーブックの配布を始めています。

 また、原宿の「@cosme TOKYO」では1店舗限定の店頭ディスプレイを2階奥にあるランキングコーナー前に設置いただき、大々的な演出ができています。この特注のディスプレイは座り心地のよいソファーに携帯充電設備も取り揃えており、多くの来場者にスキコン50周年をアピールしていきます。

 さらに、アルビオン公式LINEにご登録していただけると、スキコン50周年キャラクター「スキコちゃん&アルビー」の限定LINEスタンプを無料ダウンロードしていただける施策も5月23日まで実施します。

「50周年スペシャルボックス」

 4月10日~5月17日にかけては、今まで出会いの機会がなかった方々に、実際にスキコンを実感体験していただく施策を行います。全国での展開として、「アルビオン トライアル フェス」をスタートしました。

 アルビオンが好きな方はもちろん、久しぶりの方や初めての方にもスキコンを試していただきたいという想いを込め、店頭で特別サンプルをプレゼントするキャンペーンを展開しています。

 LINEアカウントからクーポンを取得し、最寄りのお店で5~10分のカウンセリングを受けていただくと全員にスキコンの特別サンプル(スキコン27 ml+ミニクレンジングバー)をプレゼントします。

 4月13、14日には、若者が集う街・渋谷の商業施設「渋谷MODI」にてスキコン.meet.フェスを開催しました。

 誰でも参加可能で予約も不要、スキコンの気持ち良さをその場で試せるうえ特別サンプルやイベント限定特典がもらえるということもあり、2日目の16時には予定数量が全てなくなるなど盛況でした。大変多くの方々にご参加いただき、SNSへの投稿も積極的に行っていただけました。


左は「@cosme TOKYO 限定ディスプレイ」、
右は「スキコン . meet . フェス」の様子

第一線で活躍を続けて50年、
スキコンは出会いの象徴商品

 ――では、今後のプロモーションについてはいかがですか。

 前田 スキコンのプロモーションが一番盛り上がる5月以降の時期を捉えて、店頭の見え方をより商品の強みにフォーカスすべく変えていきます。

 具体的には5月17日より、「ニキビ・肌あれ防止美肌コンディショナー」というプロモーションキャッチで明快な商品訴求を行っていくほか、スキコン一色の売場、全国アプローチイベントを百貨店・専門店・業態店全て共通のパッケージで展開することにより発信力を強めて集客を最大化し、店頭や店頭以外の至るところで接客接点の最大化を図っていきます。

 またSNSでは、スキコンの3日分サンプル「3daysサンプル」の引換広告で継続的に話題化を図り、店頭にお客様を誘引するとともに、ニキビ・肌あれをキーワードにすることで今まで出会えていない若年層にも商品認知を広げ、肌実感の機会を創出することで、お客様の圧倒的な来店促進を図ります。

 さらに、ミニマスクをきっかけとしたタッチ活動にも取り組んでいきます。特別感がありながらも手や顔に短時間で簡単に実施できる活動により体験人数の最大化を図っていきます。

 9月以降もスキコンの限定品を発売するほか、スキコンが51年目も続いていくということを何らかの形でお伝えすることも検討しています。

 ――今後、スキコンをどのように育成していきますか。

 前田 一つの商品が50年間、第一線でお客様づくりに貢献し続けているという例は業界を見回してもほとんどないと思います。

 実際、初めてのアルビオン商品がスキコンである人はアルビオンで最も多く、つまり、スキコンはお客様との出会いの象徴商品といっても過言ではありません。

 スキコンは老若男女、ターゲットフリーで様々な肌悩みに寄り添い、多様な方々にご満足いただける商品ですが、時代とともに若年層の認知度がやや低下してきているという実感があります。

 50周年を一つの契機として、今までなかなか出会う機会がなかった若年層の方々にスキコンの魅力を周知することに挑戦していきます。

 今までにない接点をつくっていくためには、馴染みのないエリア、取り組んでこなかった施策やアプローチを織り交ぜていくことが必要なことから、渋谷の商業施設でのトライアルフェス開催や、周年限定のロゴ・キャラクターの採用、LINEでの販促など敢えてお祭りのようなスタイルを取り入れました。

 これにより、若者との接点を積極的に創出していくことで来店の心理的なハードルを下げつつ、今まで出会えていなかった若年層にスキコンの魅力を、実体験を通じて伝えていきます。

 60年目、70年目、100年目を迎えても、スキコンが人気の化粧水として存在し続けることが我々の夢です。そのために必要なのはご愛用者様を大切にしつつ、新しいお客様との出会いを追い求め続けることであり、この50周年をリスタートの年と位置づけ、取り組みを強化していきます。

セールスプロモーション部 企画グループ プランナー 前田晴那氏

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