花王は、ホーユーより2011年3月1日に発売された泡状ヘアカラー「ビゲン ヘアカラーDX クリーミーフォーム」について、花王の保有する特許権(特許第4762362号)を侵害するとして2011年7月6日、東京地裁に仮処分の申し立てを行っていたが、申し立てが認められ、2012年2月10日付で、対象製品(*)の製造・販売等の差し止めを認める仮処分決定がなされた。
今回の決定を受け、花王は、特許権侵害により受けた損害の賠償を求める訴訟を、速やかに東京地裁に提起する。
上記特許権は、"ノンエアゾール型の容器を用いた2剤式泡状染毛剤"の技術に関するもので、花王グループのビューティケア事業を支える重要な知的財産権の一角を担うもの。同社は2002年に技術開発に着手してから、2007年7月に日本でその実用化した商品である黒髪用ヘアカラー「プリティア ふんわり泡カラー」を発売し、2008年10月には白髪用ヘアカラー「ブローネ 泡カラー」を発売して、現在までに日本での染毛剤市場において「泡状」というカテゴリーを確立するに至っている。
同技術を実用化した家庭用泡状ヘアカラー商品は、花王グループ企業によって、海外においても、2009年7月の香港での販売を皮切りに、シンガポール、マレーシア、英国、オランダ、米国、タイ、台湾で発売し、好調な売れ行きを続けている。2012年前半にはフランス、カナダ、オーストラリアでの販売を開始する予定であり、今後さらなる販売国の拡張も予定しており、花王グループのビューティケア事業の海外展開の中核をなしている。
花王は、特許などの知的財産権を極めて重要な経営資源と位置づけており、「他社の知的財産権を尊重しつつ、自社の知的財産権が侵害されたと判断した場合には、毅然とした態度で臨んでいく」としている。
*対象製品: 「ビゲン ヘアカラーDX クリーミーフォーム」のうち、下記の12製品(本品およびつめかえ用) 「2 より明るいライトブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲン FMヘアカラー(A) 2」のものに限る) 「3 明るいライトブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲンFMヘアカラー(A) 3」のものに限る) 「3C キャラメルブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲンFMヘアカラー(A) 31」のものに限る) 「4 ライトブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲン FMヘアカラー(A) 4」のものに限る) 「5 ブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲン FMヘアカラー(A) 5」のものに限る) 「6 ダークブラウン」(第1剤の外箱表記が「ビゲン FMヘアカラー(A) 6」のものに限る)
この記事は週刊粧業 掲載
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