日本コルマー、オープンイノベーションを提唱しワンストップで「夢を具現化」

カンタンに言うと

日本コルマー、オープンイノベーションを提唱しワンストップで「夢を具現化」

 化粧品・医薬部外品OEMの国内最大手である日本コルマー(本社=大阪市)は、研究所と工場を国内に3拠点をもち、あらゆる化粧品の企画コンセプトから処方開発、最終商品化までの一貫生産体制を敷いている。

 薬事法など各種規制に関する手続き、有用性評価試験、原料資材・容器などの調達などを行う「ワンストップトータルサービス」の提供を強みに、新規顧客を獲得し、堅調に業績を伸ばしている。2013年3月期も売上高は前年比2ケタ増で推移し、9期連続の増収を達成した。

 「CITE Japan 2013」では、300社以上に提供している「夢を具現化する(力)」をテーマに、あらゆる顧客ニーズに対応できるOEMの総合力をアピールする。

総合力発揮する事業体質強化し
市場環境に左右されないOEMを

 神崎友次社長はかねてより、業界内における受託製造業の在り方や進むべき方向性について、講演会やセミナーなどで提唱している。過去には、単なる受託製造を行うOEMから、処方の設計・開発、生産まで一貫して手がける「ODMの推進」を提言し、自らも実践している。

 研究開発は、大阪府柏原市、八尾市の2つの研究所で、約100名の研究者による開発体制を敷いている。今年4月には、出雲工場内にも新たに研究所を設立し、3工場・3研究所体制により新製品の開発を進めていく。

 また研究所との連携を図りながら、営業面では、取引先の新製品価格帯や販売チャネルを戦略的に分散させ、メーカーや販売チャネルの好不調に左右されにくい多極分散型のビジネスモデルを強固にしてきた。

 近年は、訪販メーカーの低迷や中価格帯ブランドの不調に見舞われる一方、通販チャネル向けの化粧品を中心に、新規参入を図る企業からの委託が増えており、神崎社長は「市場のニーズやトレンドに沿って自動的に経営構造が安定し、堅調に成長する仕組みを構築した」と語る。

 近年では、停滞しはじめた国内市場の再活性化と進展するグローバル化に向けて「オープンイノベーションの推進」を提唱している。

 「業種を問わず、日本企業は長らく垂直統合型のクローズドイノベーションを強みに発展してきたが、その強みが通用しない時代を迎えた。化粧品業界も例外ではなく、グローバル化の進展にともない、顧客ニーズは多様化し、トレンドのサイクルも早まっている。関連企業の専門分野・得意分野を活かしてニーズやトレンドに素早く対応していく水平分業型のビジネスが求められている」(神崎社長)

 また国内業界については、「新規参入の異業種企業や新興の中堅企業がトレンドを作る流れになってきている」と言及。それらの企業は、中身の開発から製品化まで全てOEMに委託し、人材や資金などの経営資源を販売に集中させている点が共通しているという。

 「国内外で多くの顧客と取引するもう一つのメリットは、様々な情報をもとに独自にマーケティング戦略を検討し、製品開発を進められることにある。国内市場は人口減により成長見込みは低いものの、新規に参入する異業種企業を取引先に加えていくことで、中長期的目標に掲げる売上高300億円も十分に達成できる数字だと捉えている」(神崎社長)

PA4+、ノンシリコーン等テーマに
研究者目線で市場分析・処方開発

 「CITE Japan 2013」では、「夢を具現化する」をテーマに、「処方技術」「有効性試験」「海外容器の調達」「生産技術」の4項目を軸に、企画を反映した最終商品化を実現するOEMとしての総合力をアピールする。

 その企画の中核を担う研究開発本部マーケティング部は、ほとんどが開発技術出身者で構成され、研究者目線で国内外の市場分析を行い、企画開発を進めている。マーケティング担当の木村めぐみ氏は、今回展示する製品群からも「研究者目線の企画アイデアに、他社との違いを実感してもらえるだろう」と語った。

 展示製品には、今年1月より解禁となった「PA++++」対応シリーズや、高機能化が進むヘアケアから「髪のエイジングケア」をコンセプトにした製品などを揃える。

 また「ノンシリコーン処方」のバリエーションを増やす取り組みを紹介する。シリコーンは、テクスチャーや保湿性など他の素材にはない特徴がある一方、近年は毛穴を塞いでしまうといったマイナスイメージが消費者の間で広まっていることも否めない。木村氏は「ヘアケアにおけるノンシリコーン製品の流行は、他の製品にも波及していくと考え、ノンシリコーンのベースメイクなどをこのほど開発した。ノンシリコーン処方でシリーズを広げていきたいというニーズにも応えていく」と語った。

 展示製品には、確かなエビデンスに基づいた開発であることを示す機能性評価データを付けるとともに、2011年7月に新規効能として加わった「抗シワ」機能の評価試験をはじめとする有効性試験のサポート体制も提案する。

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 「国内は低価格市場が拡大傾向にあるため、中国・蘇州コルマーから日本品質レベルの海外容器を安価で提供できることも製品価値と一緒に伝えていく」(木村氏)

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