サティス製薬・山崎智士社長、3つのカード駆使し急成長~将来ヴィジョン壮大かつ明確に描く

週刊粧業 2009年10月19日号 14ページ

2013年9月6日 14時49分

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 昨年から今年にかけて、「イオンレイクタウン」と「ららぽーと新三郷」という大規模商業施設のオープンで話題をさらった埼玉県越谷市と三郷市。実はその間に位置する吉川市に、OEMメーカーとして急成長を遂げている会社がある――。サティス製薬。OEMメーカーでありながら、製剤や処方、オリジナル素材の研究・開発力や評価技術という強みを活かす。創業者の山崎智士社長にインタビューした。

師匠との決別で奮起し創業を決意
ヒット商品の開発で事業を軌道に乗せる

 ――創業の理由は。

 山崎 前職の化粧品製造会社で出会った社長のもとで多く学ばせてもらい、まさに「師匠」といえる存在で、人としても尊敬していた。オーナーは別にいたが、徐々に社長とオーナーの間に経営方針の相違が生まれ、新会社設立の計画が立ち上がる。私も社長に誘われ、会社を辞めて新会社の設立準備に奔走する事になった。しかし、設立メンバーの1人だった元上司から、新会社設立に関連した社長の幾多の法律に反する不当な行為の数々を聞かされた。

 社長に対する不信が募るなか、気付けば社長は私以外のパートナーと新会社をスタートさせていた。愕然としたが、次の瞬間、私は覚醒する。私には女房と1歳(当時)になる長男の生活がかかっている。一家の長として落ち込んではいられないし、男として社長を見返したい。この両方を達成するため、社長のいる「化粧品製造」という土俵で、同じ経営者として正々堂々と相撲をとると決意した。

 1997年、1人で開発会社としてスタートし、資金も人脈もない中、家にも帰らず会社に寝袋を持ってきて、がむしゃらに働いた。その中で開発した「低刺激性皮膚洗浄剤」がヒット商品になり、その後、徐々に各方面から開発のご相談をいただくようになって事業が軌道に乗り始めた。

 ――今年12月で10周年を迎えられます。

 山崎 「事業のターニングポイントは?」とよく聞かれるが、右にも左にも90度直角に曲がったという目立った曲がり角(ターニングポイント)はなく、いくつかの小刻みな曲がり角を経て、現在の状況・方針に至る。

 ただ、ずっと順調に来たのではない。実は、自分を見失った時期もあった。事業開始から数年後、いつの間にか目標にしていた元社長の会社の業績を上回っているという事実を知った。その途端、やる気を失い、明日やる仕事も、明日会社にくる理由も、先の何もかもが見えなくなったのだ。

 当時の疑問は「経営者とは何のために働いているのだろうか」である。その答えを探すため、とにかく経営者自らが書いた本を読みあさった。一番気持ちをスッキリさせてくれたのが、京セラの創業者で現・名誉会長の稲盛和夫さんと、日本電産の創業者であり現役社長であられる永守重信さん。他にも多くの本から沢山の事を学んだが、この2人から得た経営者としての姿勢こそ、今の私の骨格を形成していると言える。ここから経営者としての本当の意味での道のりが始まった。

 自分自身が変わり、会社も変わった。それまでは特定のメーカーに頼った1社依存型の経営だったが、そうではなく取引先の裾野を広げ、独立した経営をまずは目指す事にした。しかし、開発会社であった我々の収入源は開発案件だが、なかなか中小企業には開発ニーズがなく、裾野を広げるためにはさらなる改革が必要だと判断し、開発会社から方向転換。2004年に工場を設立して製造会社へと舵を切った。

 得意のゲルクリームや洗浄剤に加え、固形石鹸の小ロット製造で、取引先が増えて順調に改革は進んだ。これまで特定のメーカー向けに開発してきた研究成果を、中小企業向けに一般開放し、複数の会社に技術を利用してもらう事で効率を高め、瞬く間に研究投資を回収するスキームを作り上げた。これはOEMならではのビジネススキームで、始動したのは2006年の頃である。

 もちろん自分たちで製造まで行っているため、開発会社当時に比べ利益率は数段に向上した。製造設備を増強し、製造原価を抑えて付加価値を高めるという、製造会社として標準的な姿を進む事も出来たのだが、やはり当社のDNA、血統は「研究開発」である。先に述べたOEMならではの高い研究効率と早い回収スキームは、これからの新しいOEMスタイルになるとの自信もあって、機械設備や人材投資の中心は研究・開発に充てた。

 OEMメーカーのあるべき姿は、販売メーカーのパートナーという位置づけで、販売メーカーができない仕事、持っていない技術を、如何に補填できるかである。それでいて、最新の技術やサービスと言った品揃えが必要で、処方や製剤から素材、試験、情報まで「なんでも揃う専門店」のような存在にならなければならない。

 他の「専門店」には置いていない独自の素材や製剤なども必要になる訳で、07年からは国産天然素材の研究開発を開始した。こうした経営方針のもと、自社企画の研究テーマに取り組んで、成果を出し、その成果を広くいろんな方々に知って頂く事で新しい仕事が多方面から舞い込み、成果を多用化する事で投資回収を早める。この流れがいよいよ今年に定着した。

取引先は5年半で280社に拡大

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