花王はこのほど、東日本地区の有力販売店幹部など約400名を招き、「有力販売店懇談会」を開催した。
懇親会に先駆けて行われた記者会見で、澤田道隆社長は「グループ全体の事業活動の方向性や重点施策」について述べた。続く懇談会では、神田博至専務が「事業やブランドの戦略」について、高橋辰夫専務(花王CMK社長)が「販売施策や販売店への提案」についてそれぞれ説明した。
2014年度は、研究や生産、マーケティング、販売など各部門において「半歩先提案」を実践するとともに、「花王らしさ」を磨き上げることにより他社と差別化されたイノベーションの創出に努めていく。また、消費税増税への対応として「増税前の仮需に備えた生産」「増税後の需要減を活性化させる高付加価値商品の提案」も行っていく。
先行き不安が広がる時こそ、
花王らしさ盛り込んだ提案を
今回の有力販売店懇談会では、「清潔」「美」「健康」という領域の中で、新しい市場を創造するような商品、既存市場を大きく活性するような商品を提案し、消費者の満足、販売店の売上げ・利益拡大に貢献していくという花王グループの基本的スタンスが改めて示された。
「企業理念『花王ウェイ』の根幹をなす『よきモノづくり』を実行に移し、新しい市場を創造するような商品、既存市場を大きく活性するような商品を提案することが我々の使命だ。多様な価値観に合致し、購入意欲を刺激できるような新しい提案、付加価値の高い提案を、いかに継続して発信できるかが重要であり、その実行力、徹底度が、事業成果の顕著な格差につながっていく」
澤田社長は、「基本となる安全・安心・信頼という『よき』だけではなく、高品質・高性能・高付加価値の提案により消費者の豊かな生活文化を創造するという『よき』、環境や高齢化等の社会的課題に貢献する『よき』等、様々な思いを込めている」とよきモノづくりの基本的な考え方を述べつつ、その具現化でポイントになるのが、「イノベーション(新価値創造による社会や生活文化の変革)であり、消費者に驚きや感動、気づきを与えるような提案だ」と語った。
「企業目線での押し付けでは消費者は動かない。消費者目線での提案であっても顕在ニーズに対応するだけでは消費者の意識や経験の延長線上にあり、驚きや感動、気づきの領域までは達しない。これまでの意識や経験の延長線上にはない不連続な提案が必要だ。
しかしながら、現状からあまりにもかけ離れた不連続なレベルでも価値の理解に時間が掛かるため、日々使用されるトイレタリーの領域では、適度な不連続レベルというものが驚きや感動、気づきを喚起させるには重要だ。
一歩や二歩ではなくて半歩先の提案がポイントになってくる。これにより様々な切り口、角度から提案できる可能性が高まり、提案のスピードも早められる」
花王グループでは、研究や生産、マーケティング、販売など各部門において「半歩先提案」を行うとともに、「花王らしさ」を備えた競合品との違いがしっかりと出せるようなイノベーションの創出に努めていく。(以下、省略)
この記事は週刊粧業 掲載
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