ポイントピュール、香港で自社ブランド「Ryuspa Refining（琉スパ リファイニング）」をPR

　化粧品受託製造業を展開しているポイントピュール（沖縄県島尻郡久米島町）は9月30日、自社ブランド「Ryuspa Refining（琉スパ リファイニング）」シリーズ（6種）の香港での本格的な販売を見据え、現地の協力先でもある有力ヘアメークチェーン「TONI&GUY」で美容関係者などを招いて発表会を行った。

　沖縄県関係者や久米島町長も姿を現すなど「オール沖縄」で臨み、化粧品や観光資源のアピールに努めた。これを機に、「Ryuspa」の香港展開を加速させるとともに、沖縄への観光客の誘致につなげたい考えだ。

　「Ryuspa リファイニング」シリーズは、久米島産の海洋深層水と「クチャ」（海泥）などの県産の天然素材を使用したスキンケアシリーズだ。大道敦社長によると、同シリーズの香港での販売は「3年がかりで実現させよう」と入念に構想してきたという。

　今回香港で売り出すシリーズは、過去13年間で約130社、800商品ほどのOEMを手掛けてきた経験を活かして開発したもので、準備段階の1～2年間に「香港にもっていって意見を聞き、中には厳しい指摘もあったがそのフィードバックをもとに作り込んだ」という。大道社長は「満を持して世界に向けて香港から紹介する」と力強く語った。

　海外展開に踏み込んだ背景については、沖縄という特異な立地性から「東京でやるよりは逆にアジアの方が近い」と考え、その第一歩として香港を選んだのは「ここで成功できれば、その後アジア広域に発信しやすい」ことが決め手の1つになったという。

　大道社長は今回の発表会について、「3年がかりでやってきて、ようやく実現できた。県や町がバックアップしてくれる化粧品の発表会はなかなかない」と興奮気味に語った。

　一方で、「Ryuspa」の香港上陸には久米島や県の観光事業を活性化させようという狙いも込められている。近年は香港から沖縄への観光客が増加しており、沖縄素材を前面に押し出した「Ryuspa」の販売を通じて、そうした流れをさらに加速させたいと考えている。

　発表会には県商工労働部 産業雇用統括監の武田智氏が駆けつけ、「香港と沖縄（那覇）は飛行機で2時間半と近い。是非直接沖縄に足を運んでいただき、美しい自然や文化に直接触れていただけることを願っている」と観光振興への意気込みを披露。また、ポイントピュールに対しても「県としての様々な支援が実り、大変な成果をあげていることを嬉しく思っている。積極的に応援したい」と述べて結束ぶりをアピールした。

　また、この日は久米島の大田治雄町長も島のPR役として姿を現し、大道社長について「久米島経済界の若手ホープとして日本だけでなく海外でも活躍している」と賞賛したほか、「Ryuspa」に対しても「島全体が県立自然公園に指定されている久米島の自然豊かな環境の中から誕生した」と製品の希少性をPRした。

　発表会ではこのほかに、「Ryuspa リファイニング」シリーズ製品を使用したデモンストレーションが行われたほか、ミス香港ファイナリスト経験もある有名モデルのジャネット・チョウ氏がPR役として登場するなど、現地メディア関係者も多数押し寄せ盛り上がりを見せた。

販売ルートの確保に手応え、
アジア展開の拡大も視野に

　今後は、「Ryuspa」の販売ルートの拡大が焦点の1つになる。発表会には現地のエステ、サロン関係者や化粧品の卸・小売関係者が数多く来場しており、まずはその中から販売先を確保し、その後さらに広がりを狙いたい考えだ。

　大道社長は発表会を終えた後も参加者と積極的に交流を続け、その中で「かなり興味を示してくれた。既に扱いたいという会社が数社ある」と一定の手応えをつかんだようだ。

　さらに、「香港で話題性を高め、逆にそこから日本へ売り出していく効果も狙っている」と早くも次の一手に言及したほか、「韓国や台湾などからも『メイドイン沖縄』の化粧品がほしいといわれている」と、他のアジア地域での展開も視野に入れていることを明らかにしている。

　また、自社ブランドの拡販を通じて「経験したものを（OEMとして）お客さんに提案、アドバイスできる」とも述べ、OEMとの相乗効果も狙っていくとしている。