中川装身具工業では、スワロフスキー・クリスタルを使ったアクセサリーがブライダルやフォーマルアイテムとして人気を博している。
ブライダルではお色直しにカラードレスを着用する花嫁が増えたこともあり、ティアラに加え、ヘッドドレスが注目されるようになった。
「これは3年くらい前からの傾向で、厳密に言えばティアラもヘッドドレスに含まれるが、一般的にはティアラ以外の髪飾りアイテムをさすようになった。そこで最近はコームやバンドル仕様などのヘッドドレスの取扱いを増やしている。2015年まではティアラが主流だったが、昨年からヘッドドレスを身につける人が増えている」(鈴木茂男営業二部クリスタルジュエリー課課長)
スワロフスキー社が2015年に発売した「エーデルワイス」という花型の石が大変な人気で、昨年も大々的に提案した。クローバーやクロス型も人気が高い。石の色はクリスタルが主流で、カラーの場合はカラードレスに似合うパステル系の色合いがよく使われる。
常にゴージャスなデザインも揃い、見た目よりは軽いのが魅力だ。
ブライダル業界の多様化するニーズに応えてきた結果、販促品や記念品としての需要が増えた。まとまった数の受注があり、美容業界のコンテストで受賞者に授与するアイテムとして採用実績がある。
この場合、アクセサリーを収める箱を豪華仕様にすることで贈られる人に製品とあわせたダブルサプライズを提供できるという。
定番品ではキャスト製品のスワロフスキー・クリスタルを使ったティアラの注文が引き続き多く寄せられた。宝石店の指輪購入者や結婚式場の予約者へのプレゼントなどに重宝されている。
「職人不足を踏まえてキャスト製ティアラの取扱いを始めたが、このほど量産体制が整い、専用カタログも作成したので提案がしやすくなった。全て国内製造で、パールの取り付けや石留めなどは手作業である。精度の高い仕上がりが評価を受け、受注は右肩上がりで推移している」(鈴木氏)
ちょっとしたパーティや結婚式の招待者におすすめの、少し控えめなデザインも揃う。
アパレル業界でもニーズの多様化はみられる。アレンジを加えた別注品の需要が高く、今年はパールの素材を使ったアイテムが動きそうだ。
「全て手作りする場合はデザインを簡略化するなどのアレンジもできる。職人からあがってきた製品は各工程ごとに念入りに検品し、最終仕上げとして磨きをかけて高い品質を維持している。2017年も世の中の流れをみながら多様化するニーズにあわせ、色々な製品をつくっていきたい」(鈴木氏)