「100個からでも作ります」のキャッチフレーズで知られる化粧品・健康食品OEMメーカーのセントラル・コーポレーション(本社=岡山県岡山市北区、笹山博史社長)はこのほど、幹細胞の研究者を含む2人の博士を迎え、ヒト幹細胞化粧品の研究開発体制を強化した。
「最新研究である生ヒト『臍帯血』幹細胞は、創業来41年にわたって継続してきた研究の1つの到達点」と話す笹山社長に話を聞いた。
幹細胞化粧品の研究が加速
生ヒト臍帯血幹細胞に注目
――化粧品業界では「幹細胞コスメ」が注目を集めていますが、化粧品の潮流の変化を、どのようにみていますか。
笹山 消費者ニーズの変遷を考えれば、当然の流れだとみている。従来は保護・保湿を図る「保護化粧品」がマーケットの主軸を担っていたが、消費者はもはや、単純な保護化粧品だけでは満足できなくなっている。
マーケットの主役が細胞増殖を含めたアンチエイジング化粧品へと移行していくのは必然の流れであり、実際そうなっている。
アンチエイジング化粧品の中では、幹細胞化粧品が最先端であり、当社としても幹細胞化粧品の研究をさらに加速するべく体制の整備を進めている。
――「幹細胞」に関する最新の研究成果についてお聞かせください。
笹山 今、最も注目すべき成分は、「生ヒト臍帯血」幹細胞培養液だろう。生ヒト臍帯血幹細胞は、創業来41年にわたって継続してきた研究の1つの到達点だと考えている。
幹細胞化粧品の人気はさらに高まってきており、幹細胞化粧品を扱う事業者は増えている。しかし、一定の注意点をクリアした幹細胞化粧品でなければ、効果を期待することはできない。
――どのような注意点をクリアすべきでしょうか。
笹山 1つ目の注意点としては、単純に「配合濃度」だ。幹細胞培養エキスを1滴でも配合すれば、理屈上「幹細胞化粧品」とうたえてしまう現状がある。ただ、配合濃度が低ければ、効果が期待できないのは自明のことだろう。
2つ目の注意点は「ヒト由来」であるかどうかだ。例えば、クモとヒトが結びついたりしないように、「ヒトのリガンド(鍵)」を持たない植物由来の幹細胞が、「ヒトのレセプター(鍵穴)」と結びついて効果を発揮するというのは、細胞学の基礎知識からすると考えにくい。
さらに、ヒト由来の幹細胞培養液の中にも、脂肪由来や臍帯血由来、骨髄由来、歯髄由来など、さまざまな由来の違いがある。こうした由来の違いで差別化ができるかが、3つ目の注意点だ。
――ヒト由来の幹細胞素材についても各社が供給していますが、その中での選び方についてもお聞きかせください。
笹山 化粧品の原料として求められる「ヒトの表皮を増やす」という効果については、由来によって違いがあると考えている。こうした観点からすると、当社が採用している「脂肪由来」や「臍帯血由来」が最適だろう。中でも注目度が高まっているのが「臍帯血由来」だ。