香栄興業、発酵・カスタムオーダー・エルゴチオネインを強化

週刊粧業 2022年12月5日号 7ページ

香栄興業、発酵・カスタムオーダー・エルゴチオネインを強化
 香栄興業(本社=東京)は、取扱原料に占める輸入原料の割合が高く、急激な円安やウクライナ侵攻に伴う物流の混乱の影響を大きく受ける中、取引先へのマイナスインパクトを極力抑えるべく、受注に応えることを最優先に早めの発注を心掛けるなど、原料の安定供給に努めてきた。

 しかしながら、輸入原料価格や物流費、エネルギーコストに加え、加工賃も上昇し、値上げせざるを得ない状況となり、取引先へは丁寧に説明するなど、理解を得られるように努めた。

 「来年についても各種コストは上昇し続けることが想定されることから、早めに多めに発注をすることで、底堅い需要に応えられるように努めていく」(藤倉努取締役)

 同社では、生体内成分で安全性が高く、抗酸化・抗炎症・シミ抑制など様々な効果が期待できる希少アミノ酸「エルゴチオネイン」が脚光を浴びつつある時流を捉え、食用キノコであるタモギタケの抽出物をエルゴチオネイン含有率が95%以上の高純度まで精製し、製品に0.03%配合した「Natural ERG Liquid(医薬部外品用)」を注力原料に位置づけ強化を図っている。

 高純度化により、エルゴチオネインという成分表示が可能になったほか、化粧品向けにはハードルであった色、ニオイ、不純物などが大幅に低減された。スキンケアや育毛剤への配合を推奨していく。

 また、化粧品業界においてSDGsへの動きが加速する中、栽培から収穫、加工、分析までを行う「カスタムオーダー特注原料」にも注力していく。「アップサイクルへの関心が高まってきてはいるものの、独力でサステナブルな循環システムを構築することは難しい。農産物加工時の副産物などの活用を積極的に進めてきた当社ならではの機能をうまく活用してほしい」(技術部 三谷茂樹氏)

 ここ数年ラインナップの拡充を図ってきた「植物発酵エキス」は、菌種と植物の組み合わせで独自性を発揮できることや、発酵エキス化することで機能性が高まり独自素材の幅が広がることの周知に努め、採用件数のさらなる増加を図っていく。

 今後については、「今年稼働を開始した新工場(埼玉県加須市)、新研究所(本社近隣)を有効活用し、新素材の開発を進めていくとともに、顧客ニーズをいち早く掴み、それにマッチした原料を積極的に提案していく」(藤倉氏)という。
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