日進化学、機械化・DX化の推進でQCD向上

週刊粧業 2023年8月28日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 専門性を高め付加価値創造型企業へ
日進化学、機械化・DX化の推進でQCD向上
 化粧品OEM/ODMとエアゾール製造を行っている日進化学は、開発部門を細分化し、各部門の専門性を高めて提案力の強化を図っている。

 育成事業に位置づけるODM開発部門は、付加価値創造型モデルの確立を目指し、昨年はODM推進室を新設した。

 「ODM推進室が中心となり、顧客の意見や要望を取り入れた研究開発を進めている。社内の情報共有などでも徐々に存在感が出てきている。ノウハウ・実績を積み上げながらODM事業の成長を促していく」(髙田寛社長)

 2023年上期(4~9月)は、6月以降、受注が堅調で前年実績を上回って推移している。液体化粧品では、クレンジングやシャンプー、ボディソープなど高機能化が進む洗浄系アイテムが、前期から好調を持続している。エアゾール製造では、スプレータイプの化粧水や日やけ止め、炭酸泡洗顔などが売上を牽引している状況だ。

 髙田社長は、「カテゴリーによって多少の差は見られるが、ここ数年の中で、受注状況は全体的に安定している」と話す。その一方で、「国内の化粧品市場の需給バランスが安定しているかどうかは不透明である。インバウンドも回復してきたが、先が読みにくい状況にある。今後の市場動向を見極めていきたい」と述べ、気を引き締めている。ここ数年で、大手を中心に本舗メーカーやOEM会社が国内の生産能力を増強していることから「供給量が上回っている可能性は高い」との見解だ。

 「人口減少や少子高齢化が進行していく中で、さらに市場競争は厳しくなる。受託製造(OEM)と提案型のODMを同時進行で成長できる体制を盤石にしていきたい」(髙田社長)

 OEM事業では、中・大ロットに対応する生産設備をもつ工場が限られるため、引き続きQCDを意識した設備投資を進めることで、シェア拡大につなげる。危険物扱いの化粧品が作れるOEM工場も数が少ないため、自社の特徴として打ち出していく。

 「効率生産が可能なスマートファクトリーの実現に向けて、機械化やDX化に積極的に取り組み、生産性を向上させていく。電気代や原料・資材の価格高騰が続いているので、製造原価率を意識した効率化も推進していく」(髙田社長)
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