ライオン 鈴木均副社長、打ち手の多様化で新規国参入を成功に導く

週刊粧業 2023年10月16日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 中国事業は年率20%の成長で2030年に売上1000億円へ
  • 参入当初から適正利潤を確保できるモデルの構築へ
  • 豊富な合弁経験を活かし将来有望な新規国を攻略
  • 市場の成熟度合いに沿ったキメ細かいアプローチが必要
ライオン 鈴木均副社長、打ち手の多様化で新規国参入を成功に導く
 ライオンは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現に向けて事業活動を進めている。

 特に、2030年に向けて重要となる海外事業の拡大では、アジアでのグローカライゼーション戦略を進化させ、最重要市場である中国をはじめ、既存国・エリアにおける事業の強化を進めるとともに、新規国・エリアへの参入を図り、アジアでのプレゼンス拡大を目指している。

 20年を超える海外での豊富な経験を買われ2023年3月に取締役兼副社長執行役員に就任した鈴木均氏に、海外事業の成長戦略や将来あるべき姿について話を伺った。

中国事業は年率20%の成長で
2030年に売上1000億円へ

 ――Vision2030で掲げる海外売上高3000億円の達成に向け、他社とは一線を画した「グローカライゼーション戦略」を推進・強化しています。狙いについて教えてください。

 鈴木 当社では現在、北東アジア、東南・南アジア10の国と地域に現地法人を展開し、日本で培った研究・生産技術、マーケティングを活用するとともに、現地の文化や習慣に根差した製品を提供する「グローカライゼーション戦略」を推進しています。

 中長期経営戦略フレーム「Vision2030」では、2030年の売上目標として6000億円水準を掲げていますが、そのうちの50%、3000億円を海外事業で構成することを目指しています。

 それを実現するには、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスに基づく事業を社会課題の解決と結びつけながら展開することを軸に、他社とは一線を画した「グローカライゼーション戦略」を進化させるとともに、より多くの地域・商品分野を通じて「より幅広い顧客との接点」をつくっていくことが鍵となります。

 これまで当社では、ローカルマネジメントの徹底と現地パートナーとの緊密な連携による国別現地ニーズへの細やかな対応や、日本発の技術・ノウハウの現地化により海外事業の成長を図ってきましたが、展開国も広がっていき、企画開発数も膨大になる中、これまでと同様の戦略を採り続けていては企画開発のスピードも上がっていきませんし、事業の成長スピードも上がっていきません。

 IT技術の発展により情報が国境を越えて飛び交うようになり、若年層を中心に国家間でライフスタイルの類似化が進む中、その類型を1つの塊として捉えることにより企画開発のスピードを上げ、1つの製品ボリュームを大きくしていくことが必要になってきました。

 そこで当社では「グローカライゼーション戦略」を進化させていきます。具体的には、「企画開発のスピードアップ」と「コストメリットの最大化」の両輪で、より強固な海外事業を構築していくことを狙いに、グローカライゼーション戦略をベースとした「類型化マーケティング」を推進していきます。

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