池田物産、「ikedaテクニカルセッション2024」を開催

粧業日報 2024年3月28日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 睡眠・アンチエイジングに着目した機能性原料を提案
池田物産、「ikedaテクニカルセッション2024」を開催

 化粧品・食品原料や香料、美容健康食品の輸出入を手がける池田物産は2月28日、輸入原料の紹介やパートナー企業の処方開発サポートを目的とする「ikedaテクニカルセッション2024」を都内で開催した。

 第1部では、「睡眠・アンチエイジングに着目した機能性原料の提案」をテーに、良質な睡眠に関わる2つの原料(レジェナイト、クロノシクリンPG3)と、日中の酸化ダメージを抑制する2つの原料(OTZ 10(PRO-TAURINE)、ソラステミス)を紹介した。

 レジェナイト(サザン クロス ボタニカルズ社・オーストラリア)は、ティーツリーオイルからアップサイクルして得られた抽出物で、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの関連遺伝子に加え、酸化ストレス軽減に役立つ抗酸化遺伝子の発現を促進する。レジェナイトを1%配合したクリームと無配合のプラセボを5日間顔に塗布して比較した臨床試験では、レジェナイト配合クリームが合計睡眠時間と深い睡眠時間の長さを改善し、睡眠の質を向上したことが確認されている。

 メラトニンは脳だけでなく、肌でも合成され、夜間に行われる皮膚再生のプロセスに重要な物質で、バリア機能の向上など肌への作用が確認されている。睡眠の妨げによりこれらのプロセスも阻害され、シワやクマなどの疲労サインが現れてしまう。レジェナイトはこのような疲労サインを軽減することも臨床試験で確認されており、レジェナイト1%配合のクリームと無配合のプラセボを顔に塗布し、28日後の肌状態を評価した。その結果、レジェナイト配合クリームでは、目尻のシワ(粗さ・深さ)と、目の下のクマで有意な改善がみられた。

 クロノシクリンPG3(エクシモール社・モナコ)は、生体リズムをコントロールするサーカディアン遺伝子を刺激する太陽光の作用を模倣したペプチド。サーカディアン遺伝子の発現を誘導し、乱れた生物リズムを自然な周期に近づけることで、日中や夜間に行われる適切な代謝やタンパク質合成など本来細胞が持つ防御作用を最適化する。

 肌のアンチエイジング効果を確認した臨床試験では、クロノシクリンPG3を0.2%配合したジェルクリームと無配合のプラセボを比較し、4週間後の肌状態を評価した。その結果、クロノシクリンPG3配合のクリームは、コラーゲンの分解酵素(MMP-1)が平均で30%減少し、シワと肌の弾力を改善することが確認された。

 クロノシクリンPG3と同じく、エクシモール社が開発したOTZ 10(PRO-TAURINE)は、タウリンの前駆体(オキソチアゾリジン)が、UV-Aを受けることにより発生する活性酸素種、炭素種、窒素種を除去した後、抗酸化・浸透圧調整成分であるタウリンへと光変換される特徴を持つ。

 同原料ではこのほか、UV-BによるダメージからDNAの変性を抑制し、アポトーシス(細胞死)を防ぐ効果と、ブルーライトに対抗し、肌のシワ形成やハリの低下を抑制する効果が確認されている。

 ソラステミス(ガテフォッセ社・フランス)は、ガテフォッセ社の特許技術によって開発された特殊溶媒(NaDES)を用いてレユニオン島で栽培されたハヤトウリの果実から抽出された水溶性エキスで、UV-Aによって誘発されるDNA損傷から肌を保護する。

 in vitro試験では、UV-A曝露による細胞内ROSレベルを低下させてDNA損傷を抑制するほか、UV曝露から真皮層におけるマトリックス高分子を保護することが確認された。臨床試験では、ソラステミス2%配合と未配合のクリームを1日2回、顔に塗布して56日後の肌状態を評価した。その結果、ソラステミス2%配合クリームでは、プラセボよりも目尻のシワが減少したほか、スキントーンと肌マイクロレリーフの改善が確認された。

 第2部では、ミストからバタータイプまで幅広い粘度の処方設計が可能なPEGフリー100%天然由来のO/W乳化剤「エマリウム デモリア MB」(ガテフォッセ社・フランス)について、実際の処方サンプルに触れながら紹介する体感型セミナーが行われた。

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