化粧品訪販に変革と上昇の胎動、担い手の若返りと業務の体系化が2大傾向に

週刊粧業 2012年4月9日号 1ページ

カンタンに言うと

化粧品訪販に変革と上昇の胎動、担い手の若返りと業務の体系化が2大傾向に

 自己実現や女性の独立開業を身近にする手段の1つとして、長く社会的な必要性を求められてきた化粧品の訪問販売が大きな変革のタイミングに差し掛かっている。

 本特集「化粧品訪販(春季)」の取材活動を進めるうち、有力各社がなだれを打って「新時代」の扉を開こうとする積極的な動きが鮮明になった。取り組みの規模や色合いは様々だが、根底の部分で、長年にわたった化粧品訪販の低迷と不振を果敢に打ち破ろうとした発端と動機が一律で共通している。

 そうした多くのアクションがここへきて、「兆候」の時期を過ぎて成果を見せ始めていると見ることができる。無店舗販売の一翼では通信販売の台頭が著しいなか、「人」が支える訪問販売が巻き返しの体勢を整えたと見てよさそうだ。

大手に見る業績推移に
訪問販売復権の足並み

 シンクタンクの富士経済(本社=東京)がさきごろまとめた国内化粧品市場の販売チャネル別動向によると、2010年「訪問販売」の総売上げ規模は1997億円で対前年比97.7%であるほか、翌2011年見込みは1896億円で同94.9%と“凋落”のマーケット動向を示している。

 一方で、本特集の紙面に登場する化粧品メーカーの進捗状況からは、そうした凋落の様子を見て取ることはできない。概ねで「前進」やその渦中にあるとする各社の動きや現状は、有力シンクタンクが示した業界全体の雲行きと乖離している。

 まず、化粧品訪販の全体像を見る確実性の指標として、最大手ポーラ(本社=東京)の2011年12月期決算が増収増益となった点を見逃すことができない。

 同社は要因として「この10年にわたる様々な改革」を挙げており、浮上のポイントを1点に集約することはできないが、先の業績が負の波に抗った必然の賜物であることは明らかといえる。

 また、大手の一角では日本メナード化粧品(名古屋市)も2011年度の売上高が増加傾向で推移したことを明らかにしている。フェイシャルサロンを拠点に、「美肌レッスン」を徹底して訴求した点が売上げの押し上げ要因に挙がっている。

 さらに、アイビー化粧品(東京)もいっときの経営不振から抜け出し、今期第3四半期までに営業利益ベースで前年同期比130.7%増とするなど、ヒット商品誕生と組織活性化の両軸から業績のV字回復を果たしている。

 このほか、2期連続で化粧品部の売上高が減少していたヤクルト本社(同)も販売員の減少という手痛い条件と向き合うなか、第4四半期時点で2012年3月期の実績をクリアしたことを明らかにしている。

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