資生堂は、「成長の行く手を阻む経営課題」の解決に向け、上期にほぼ全ての改革に着手し、中でも最大の課題である「店頭在庫の改善」に向けては、出荷抑制や生産終了品の回収に踏み切るなど、取り組みを前倒しでスタートさせている。
今後は、「二度と在庫を溜めない仕組みづくり」という事業マネジメントの革新についても実行に移していく。
具体的には、これまで販社売上と店頭売上の2つの指標をマネジメントしてきたシステムを改め、2014年度より店頭売上のみをマネジメント指標とし、販社売上はあらゆる階層の評価から除外することとした。(記事詳細はこちら)
2014年度より販社売上を除外し、
店頭売上を社員・取引先の評価指標に
前田新造会長兼社長は、事業マネジメントの革新について「相当な覚悟を持った決断となる」と前置きしたうえで、「店頭売上を上げることで販社売上を拡大し、次なる成長原資となる利益に結びつけるという良循環の経営スタイルを早期に確立するためであり、これにより在庫が必然的に溜まらなくなる」と述べ、成長の行く手を阻む経営課題の解決に向けて不退転の決意を示した。
一方、社員の利益に対する意識をより一層向上させるために、利益額やコスト指数などの新たな「利益指標」を階層に応じて設定することで、利益志向のマネジメント体制づくりを進める。
部門別採算制度の展開を国内化粧品事業からスタートし、組織のミッションに合わせて組織単位ごとにキメ細かく収益性の評価指標を設定。PDCAサイクルを廻す新たな仕組みを導入する。
また、在庫を溜めない仕組みの実現や得意先からの信頼獲得・共存共栄に向けては、取引制度をシンプルな内容に改定するとともに、リベートの判定基準も「店頭売上」に一本化する。さらに、返品を縮減する仕組みも取り入れる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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