みずほ証券・佐藤氏に聞く2018年下期の化粧品業界展望

週刊粧業 2018年6月25日号 8ページ

みずほ証券・佐藤氏に聞く2018年下期の化粧品業界展望
 国内化粧品市場は、引き続き訪日外国人観光客によるインバウンド需要の拡大が押し上げ、2017年(1~12月)の年間出荷金額(経産省発表)は、前年比6.9%増の1兆6292億500万円となり、2年連続で過去最高を更新した。

 2018年1~3月も前年同期比6.7%増で前年並みの伸長率を維持し、化粧品上場各社の同期四半期業績も好調に推移している。

 上場各社の動向を分析しているみずほ証券シニアアナリストの佐藤和佳子氏は「企業のグローバル成長性という点では、組織力や資金力が成長条件になってきており、大手企業が有利な環境になりつつある」と話す。

17年はインバウンドの質が変化
日本での実績・評価が指標に

 化粧品市場は、2015年以降、中国人を中心とした訪日外国人のインバウンド需要が、成長を押し上げている。2017年もインバウンド需要を取り込むことで伸長したが、インバウンドの中身(質)をみると、15年当時と異なってきていることには注意したい。

 インバウンド需要が注目され始めた14~15年頃は、ラグジュアリーなプレステージブランドが注目されつつ、知名度がそれほど高くないブランドやアイテムであってもある程度インバウンド需要を取り込んでいた。いわば、「日本製」であれば、インバウンドの対象となりえる環境だった。

 しかしながら、訪日リピーターが徐々に増えてくるにつれ、日本で実績・実力のあるブランドが強さを発揮するようになってきている。

 2017年はその傾向が一層強まり、「日本製だから売れる」という時期は過ぎ去ったと感じさせる1年となった。

 インバウンドは、「日本製」が土台としてあるものの、単に日本製だけでは売れなくなっていることに、ブランドメーカー各社も気づき始めているはずだ。

 実際に、人気・実力のある化粧品ブランドであれば、百貨店やドラッグストアといった業態を問わず、インバウンドを継続的に獲得している。

 それらの継続的にインバウンド需要を獲得する商品群の共通項としては、しっかりとブランディングに取り組み、マーケティングコストをかけているということである。

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