エア・ウォーター・ゾル、部署間連携やグループシナジーに意欲

週刊粧業 2022年8月29日号 7ページ

エア・ウォーター・ゾル、部署間連携やグループシナジーに意欲
 産業ガス大手のエア・ウォーターグループで、エアゾール製造と化粧品・医薬部外品ODM・OEM事業を展開するエア・ウォーター・ゾルは、今春のグループ組織改革により、ヘルス&セーフティーグループの「コンシューマーヘルスユニット」を構成する1社となり、ビューティを含めたヘルスケア領域でグループ間シナジーを創出しながら成長拡大を目指す。

 2023年3月期上期(22年4~9月)は、巣ごもり特需の反動減でエアゾール関連製品が苦戦したが、メークキープミストやマスク荒れ対策のスキンケア製品など「withコロナ」に対応した化粧品の受注が堅調で、売上高は前年同期比微増で着地を見込んでいる。

 エアゾール関連でもUVケアや高機能ヘアケアといった化粧品関連は好調に推移し、クレンジングオイルなど危険物扱いの化粧品の受注も回復した。

 そうした受注状況から、新井喜久社長は、「人流の増加にともない、消費活動も活発になっている。一方で、ビューティ関連は巣ごもり需要も継続している」と述べ、下期は増収幅の拡大を見込む。

 化粧品事業は、新規顧客の開拓も進んでいる。同社は2018年に化粧品製造を主体とした新工場を立ち上げて化粧品業界に本格参入して以降、企画・コンセプトから開発、製造まで一貫して行うODM戦略を推進してきた。

 20年には新たな研究所を開設して研究開発力の強化を図り、21年より研究開発・企画提案力を活かしたWeb展示会を開催している。

 そうしたODMを意識した一連の投資の成果は、新規顧客との取引増加や接点拡大という形で現れている。

 今春は、営業本部の営業企画グループと、研究開発本部のR&D戦略室でユニットを組み、情報を一元化して、研究開発と製品企画を同時進行できる体制を整え、顧客対応力の向上を図る。研究開発本部では、産学連携も推進していく考えだ。

 また同社は、長期的視点で化粧品事業の持続的な成長に向け、M&Aやアライアンスを組むことにも積極的な姿勢を示している。

 新井社長は、親会社のエア・ウォーターがあらゆる産業で企業とアライアンスを組んできた実績があることに触れ、「コンシューマーヘルスユニットでビューティ領域を担う会社として、企業連携・協業を検討していきたい」と話し、今後の成長戦略には「海外事業の育成強化も欠かせない」とも語った。

 これまで海外事業は、グローバル本部が輸入業務を中心とした海外ビジネスを担当してきたが、今年7月に営業本部内に「海外戦略部」を新設した。

 今後は、日本製の需要が高い東南アジアをターゲットに、化粧品ビジネスを広げていくという。
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