日本コルマー、敏感肌用の新たな防腐設計を確立

週刊粧業 2022年10月17日号 14ページ

カンタンに言うと

  • パーソナライズ製品開発にも意欲
日本コルマー、敏感肌用の新たな防腐設計を確立
 化粧品OEM/ODM業界で国内最大手の日本コルマーは、自社開発のベース処方をデータベース化し、活用準備を進めている。

 研究開発本部管掌の田中克昌取締役は、自社開発処方のデータベースについて、「商品開発のスピードアップに活用していく。将来的にはAIによる処方開発の実現化を目指す」と展望を明かした。

 AIによる処方開発について、同本部の小池高広執行役員は、「今後、需要の高まりが予想されるパーソナライズ製品への対応を意識したものでもある。ウェルビーイングも突きつめるとパーソナライズに行き着くはずだ」と語った。

 同社は処方開発と基盤技術開発の両軸で化粧品の新たな価値創造に向けて取り組みを推進している。2020年秋には、柏原研究所内に基盤技術開発に特化した「先進技術開発部」を設立した。基礎・基盤研究を行う研究所としては横浜研究所、スキンリサーチセンター(SRC)に続く3つめの拠点となる。

 基盤技術開発は、15年に開設した横浜研究所における大学との共同研究を皮切りに、18年頃から自社独自の取り組みを本格化した。

 同社は、基盤技術開発分野でもOEM/ODM業界をリードしていく考えで、最新の研究成果では、「本当に肌に優しい化粧品とは何か」を追求するため、化粧品に使用される防腐剤と防腐助剤が表皮に及ぼす影響について、今年9月に英国・ロンドンで開催された「第32回 IFSCC 2022 Congress」でポスター発表を行った。

 「合成防腐剤フリーの処方はニーズが高まっているが、代替で使用される防腐系の原料の中にも炎症を引き起こすものや、肌への刺激が強いもの、品質の安定化が難しいものもある。今回の発表内容は従来よりも肌への影響が少ない防腐設計を確立した研究成果になる」(田中氏)

 また、SRCが中心となって取り組んでいる評価試験では、テクスチャーや香りなど肌に塗布した時の「心地よさ」など使用感を数値化する感応評価の技術を引き続き開発している。
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