財団法人コスメトロジー研究振興財団は2010年11月25日、「第21回表彰・贈呈式」を日本薬学会長井記念ホールにて開催した。
当日は、全国の主要大学、病院、公的研究機関(約300カ所)から多数の応募があった中で、特に優れた化粧品関連の研究課題29件が表彰された。助成総額は2700万円で、1件あたりの助成金額は100万円または50万円となっている。
冒頭、小林禮次郎理事長(コーセー相談役)は、「当財団は私の父である小林孝三郎が1990年に、15歳の頃からずっと働いてきた化粧品業界に恩返しの意味を込め、コスメトロジー研究振興財団という名称をつけて設立した。一つの節目である20周年を迎え、今まで果たしてきた役割は非常に大きなものがあったと改めて感じている。
さて、21回目となる今回の研究テーマを見ると、生体作用、アンチエイジングにまつわる優れた研究が目立ったほか、心理学や生理学からのアプローチも充実した内容であった。一方、素材に関しては、有用性データをわかりやすく示すなど、人々に伝わりやすい、波及性のある研究が多く見られた。改めて、この20年間のテクノロジーの進歩は目を見張るものがあると実感している。
一つ一つの研究から、当財団の活動がきっかけとなって、人の美しさや、健康面、精神面でも人間の豊かさが実現されていくこととなれば、これほど嬉しいことはない。そのような意味でも、優れた研究に助成できることは、大きな意味を持つことであると考えている」と挨拶した。
続いて行われた設立20周年記念特別講演では、ノーベル化学賞(2000年)受賞者で、筑波大学名誉教授の白川英樹氏が招かれ、「導電性高分子の発見とセレンディピティー」という演題で講演を行った。
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この記事は粧業日報 掲載
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