日本テトラパック、化粧品製造用撹拌・乳化機器TADの機能性をアピール

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日本テトラパック、化粧品製造用撹拌・乳化機器TADの機能性をアピール

 日本テトラパックはこのほど、静岡県御殿場市にある同社テクニカルセンターにおいて記者発表会を開き、化粧品製造用撹拌・乳化機器「テトラ・アルミックス・デルタ真空乳化機」の説明およびデモンストレーションを行った。デモンストレーションでは3サイズのパイロットテスト機を使用し、その性能を披露した。

特許技術と特殊構造により高品質かつ製造時間短縮を実現
 

 同社は昨年6月に化粧品製造機器の本格供給開始を発表し、今年1月には「テトラ・アルミックス・デルタ真空乳化機(以下、TAD)」3テスト機のレンタルを始めている。実際にレンタル機を使用した企業が工場に本格導入を検討するなど、業界でじわじわと実績を伸ばしている。

 TADの大きな特徴は、特許技術「CODE3」によるホット/コールド乳化プロセスである。乳化釜の油相と水相で、従来は水相を温めてから製造に取りかかっていたのを、ホット/コールドプロセスでは温める必要がないため、生産時間を約60%削減できるという。同社によると、一般的なバッチ生産時間は、ホット/ホットで最も時間を要するのが冷却時間で、またエネルギー消費量も過熱や冷却時が90%を占めるといい、同技術によって省力化、CO2排出量削減に貢献することができる。

 img1225_2.JPGプロセッシング本部営業部の野田明宏部長は、「もともと乳飲料製造60年で培った高い乳化技術を持っており、今回のように化粧品市場に参入した。テスト機のレンタルも開始したので、これを機に当社の機械が業界に広く認知されることになれば」と話した。

 TADの撹拌・乳化能力は釜内部のローターとステーターに裏付けされている。毎分平均8000~9000回転、最大1万1000回転するはねが高い分散力を生み、最大粘度は30万cpsの高粘度の内容物を製造することが可能だ。ヘアケア製品やパーマ剤、口紅、ハンドクリーム、ローションなど幅広い実績を持ち、近年ではパウダー比率の高いオーラルケア製品でも引き合いがある。

 もう一つ大きな特徴に、全自動洗浄(CIP洗浄システム)が挙げられる。TADの全自動洗浄システムは、三次元回転するジェットヘッドによってタンク内部を4~6bar(バレル、水圧の単位)の高水圧で洗浄する。付随してエコラボ社が提供するプログラムによって最適な洗剤を提案し、より高い洗浄力を実現させるという。

 「温度、時間、圧力、洗剤の4つの要素が揃って初めて汚れは綺麗に落ちる。手洗いでは拭き取りを要した口紅やマスカラのような高粘度の製品も、4つの要素をすべて揃えている全自動洗浄なら手間をかけずに落とすことができる」(海保房喜氏)

 3リットルのテスト機では約40分程度で洗浄が完了し、試作もスムーズに行えるとしている。同社では、今後TADの撹拌・乳化技術の認知とCIP洗浄システムの理解を進め、導入実績を増やしていく方針だ。


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