香料は化粧品や日用品の魅力を引き立てる重要な存在だ。ハウスホールドカテゴリーでは、香りが主役とも言える商品が続々登場した。そこには日本人の豊かな感性を取り入れた独特な香りづくりの世界がある。
日本香料工業会がとりまとめた香料貿易統計によると、2011年の香料販売実績は香粧品香料(調合香料)が8780トン(前年比1.1%増)で256億8300万円(同3.5%増)、天然香料が2882トン(同6.4%増)で124億4300万円(同9.9%増)、合成香料が1万6518トン(同0.6%増)で367億6700万円(同7.7%増)といずれも堅調に推移した。
特に天然香料が伸びているが、これは食品も化粧品も天然志向が高まっているからではないかと言われている。東日本大震災後、危機感を募らせたメーカーが前倒しで受注をしたことも全体的な増加につながった。
洗剤や柔軟剤の香りはフレグランスとはまた違った意味で精巧につくられている。例えば洗濯物を干す時の香りは、とり込む時には微妙に変化。「とり込む時はふんわりした空気感をイメージした香りになっている」(研究開発担当者)という。
今や柔軟剤や衣料用潜在における香りは、効能・効果と同じくらい重要視されるようになった。よって残香を強くするために香料の賦香率も高まっている。
香料業界では毎年IFRA修正にのっとり、処方の入れ替え作業に追われてきた。この状況を踏まえ、今後、修正は隔年に出されることになり、第47修正は来春をめどに発表される予定だ。
【香料特集・掲載企業】
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◎小川香料~洗剤で高まりつつある香りの存在感、香水はローズやヴァイオレットに注目
◎シャラボ~天然香料のグローバルメーカーとして新規開拓と新製品の開発提案に注力
◎豊玉香料~日本の野生バラに新たな知見、国産ローズの香り商材にも注力
◎大洋香料~化粧品素材と香料をトータルで提案、アジアを中心に海外事業も積極展開
この記事は週刊粧業 2012年7月30日号 8ページ 掲載
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