日々化粧品の高機能化が進み、製造現場では高品質な製品をより効率的に生産できる環境の整備が求められている。
特に多品種展開している化粧品は、例えば充填機の場合、容器の形状に合わせた型を用意するために部品の交換をしなければならないなど、多くの手間とコストがかかる。
また、異業種参入や海外メーカーの日本進出が増えている昨今、「機械を時代に合わせていかないと、非効率でいつまでも良い製品はつくれない」と機器メーカー関係者が語るように、製品の中身だけでなく、生産体制も業績を上げるためには見直していかなければならない時代になっている。
その中でも、効率化に欠かせないシステムが自動洗浄(CIP)で、医薬品や食品業界では一般的に機械は手洗いせず、完全自動洗浄となっている。化粧品は「手洗いでなければ落ちない」といった固定観念があり、まだ普及していないが、機械メーカーの啓蒙により最近は自動洗浄に対する認知と理解が進んでいるという。
自動洗浄とともに、最適な薬剤を提示する洗浄システムを提案している機械メーカーもある。メーカー担当者によると、従来手洗いで3時間かかっていた落ちにくい製品も、洗浄システムを利用すれば1時間以内で洗浄が完了するといい、作業効率の向上が図れる。
また、工場の品質管理基準であるGMPや、ヨーロッパに輸出販売するためにEUの品質基準である「CEマーク」を取得した機械も見られるようになり、機械の安全性も向上している。
今後は、製品価値の向上や生産効率の向上がこれまで以上に求められることから、設備環境の現代化は避けて通れない課題となることが予想される。
【化粧品工場設備特集・掲載企業】
◎エヌ・ピー・ラボ~真空乳化機など納品事例が急増大手含め、業界の認知広がる
◎ガデリウス~国内流通60年の実績持つチューブ充填機が圧倒的な人気
◎日本テトラパック~自動洗浄の汚れ落ちを実証廉価版発売で導入実績の増加へ
◎森永エンジニアリング~「ピュアスター水」の普及進み中・大型機の価格見直しを予定
◎東洋自動機~スパウトなど詰替ニーズの多様化に1台2役の充填包装機を提案
◎フロイント産業~高粘度処理が可能な湿式粉砕機など付加価値訴求型の製造に勝機見出す
◎ウイスト~モーションコントロールに長け、製造現場の不便さの解消に貢献
◎南陽~多数の特許に裏付けされた技術強みにメーク製品に特化した充填機を開発
◎ウインクレル~「洗浄性」「汎用性」に優れた最高品質の真空乳化装置を提案
◎サイレック~相手先と協同歩調が信条、集中路線で堅調業績堅持
この記事は週刊粧業 2012年9月17日号 8ページ 掲載
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